2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
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・・・■■■ヘルツの実験・・・

 マルコーニを知っていますか?。 無線通信を発明した科学者で、ノー

ベル物理学賞を受けている。現代の文明の利器<携帯電話>の生みの親、

元祖無線通信である。

 マルコーニが生まれたのは1874年。当時電気を使用する通信の発明に明

け暮れていた人々は1876年、ベルの電話機(有線)の発明によってひとつ

の頂点に達していた。結果いたるところに電線が張り巡らされた。

 こうして有線による通信は一般化されたものの、無線通信の分野は研究

の緒に就いたばかりだった。

 電話機発明の12年後、画期的な実験が行われた。ドイツの物理学者ハイ

ンリッヒ=ヘルツ(彼の功績をたたえ、その名「ヘルツ」は周波数の単位

となっている)が独自の電波発生装置から受信機へ電波を飛ばして見せた

のである。わずかな距離だったとはいえ、電波が空中を飛ぶという事実は

研究者に衝撃を与えた。


・・・■■■無線通信にかけた夢・・・

 1894年、20歳のマルコーニは学校に入ったことはなかったが、裕福な家

庭で科学好きの青年に育っていた。その年の夏、父親の持つ別荘に避暑に

行く。退屈しのぎに1冊の科学雑誌をとり、何げなくページを開いた。開

いたページは、その歳37歳の若さで亡くなったヘルツの実験に関する

記事。読み進むうち、頭の中に稲妻が走った。一つの着想が浮かび、とめ

どなく膨らんでいく。「ヘルツの電波を利用したら、無線通信が可能なの

ではないだろうか?」

 避暑から帰った少年は、早速電波を飛ばす実験を始める。本格的な電波

発信装置や検波器を備え、建物の3階から地下室へ電波を飛ばす実験を繰

り返した。これ以上の研究には費用もかかる。そこで両親にその成果を見

せた。自宅の3階で電波を発生させ、1階にあるベルを鳴らして見せたので

ある。こうして首尾よく資産家の父親から融資を引き出した。

 1895年には装置の改良もすすみ、1700m離れた丘の上から無線通信

を行うことに成功した。


・・・■■■大西洋を渡る電波・・・

 6年後の1901年12月、マルコーニはアメリカニュウファンドラン

ドのセント・ジョンズという港町にいた。大西洋を隔てて3200キロメ

ーター離れたイギリスと北アメリカを、電波で結ぶ試みに挑戦するためで

ある。12日正午。マルコーニは当時の電話用受話器を耳に押し当てた。

 マルコーニは空いた片手で送信側の波長を必死に探っていた。だが、風

の音が酷く、なかなか確認できない。

「だめか・・」

 一度、受話器を外し、スコッチを垂らした熱いココアで一服すると、再

び受話器をとり、全神経を耳に集中した。

「ト」

 かすかに受話器から音が聞こえた。息を殺して耳を澄ます。

「ト・ト・ト」

 3度続いた。信号だ。モールス符号の3連短点に対応する音が繰り返し

聞こえる。

 翌日、この模様は全世界に伝えられた。

「稲妻をあやつる男、マルコーニ、大西洋横断通信に成功!新紀元を開

く!」 時に1901年12月12日12時30分。

 ヘルツの実験からわずか13年。無線通信時代の扉を開いたのは、夢を

追いつづけた27歳の青年実業家だった。



 「情報が瞬時に地球の隅々まで届く”情報化時代”の幕を開けたのがマ

ルコーニ」だった。

 学歴はなかった。しかし、資金パイプを持ち、専門情報の集め方を知っ

ており、何より独創的な発想ができた。

 何やら、現代のベンチャービジネスを志す人(会社)に、そのままあて

はまりそうな気もするのだが。

 <上前淳一郎著「読むくすり」より抜粋・・1/26記>



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