2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
【第一人者に聞く免疫の新常識】 「抗体だけが免疫ではない。自然免疫だけでウイルスを排除できる人もいる」。免疫学の第一人者、大阪大学免疫学フロンティア研究センター招聘教授の宮坂昌之さんに「免疫学の新しい常識」を聞いた。(2020.7.18 朝日新聞より) ーー「抗体だけが免疫ではない「」とは、どういう意味ですか? 「免疫イコール抗体という考えは20年前までの古い常識。新型コロナウイルスでは抗体は免疫の中であまり大きな役割を担っていないでしょう。回復した人の3分の1は抗体をほとんど持っていないとの研究結果もあります」 「人間の免疫はもっと重層的です。人体の免疫機構は、自然免疫と獲得免疫の2段構え。 自然免疫は生まれたときから備わっていて、まず皮膚や粘膜の物理的、化学的バリアーが病原体の侵入を防ぎます。そこが突破されても、白血球の一種である食細胞が病原体を食べてくれます。ここまでが自然免疫です。食細胞は全身に分布し、異物が侵入すると数分から数時間で発動します。城のいたるところを足軽が見回り、敵をその場で撃退してくれるようなもの。 だから、自然免疫が強ければ、それだけで新型コロナを撃退できる人もいます。私は、我々全体の1割程度は自然免疫だけで新型コロナを排除できるのではないかと推測しています」 「自然免疫で排除できなければ、獲得免疫の出番です。獲得免疫は発動までに数日かかります。最初に刺激されるのはヘルパーTリンパ球で、獲得免疫の司令塔です。 これがBリンパ球に指令を出すと、Bリンパ球は抗体を作ってウイルスを殺し 、ヘルパーTリンパ球がキラーTリンパ球に指示すれば、キラーTリンパ球はウイルスに感染した細胞を殺します。獲得免疫はいわば本丸を守る役目の高級将校で、キラーTリンパ球は抗体と同様に重要です」 「つまり、抗体が無くても、自然免疫が強いか、キラーTリンパ球が活躍すれば回復できます。だから、抗体の保持率イコールすでに感染して治った割合、ではありません」 <抗体には悪玉も・・・> ーーそれでも、抗体が重要なことに変わりはないのでは? 「抗体の振舞いにも大きな誤解があります。全ての抗体がウイルスを撃退すると考えられがちですが、違います。3種の抗体があり、一つはウイルスを攻撃し排除する『善玉抗体』です。逆にウイルスを活性化させる『悪玉抗体』と、攻撃もしないし活性化もさせない『役なし抗体』もあります」 「武漢医科大で感染者の血液を調べたところ、無症状感染者は抗体量が少なく、重症者は無症状、軽症者より常に抗体が多い傾向がはっきりと示されました。善玉抗体がたくさんできてウイルスを撃退すれば軽症で済むはず。重症者に抗体が多い新型コロナは悪玉抗体を多く生み出し、抗体がウイルスの増殖を助けていると考えられます」 PR |
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