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2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
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 正確には、67歳11ヵ月10日である。

 その日、9月10日は何十年振りに受験生と
なってある検定試験に臨んだ。

 社外の試験というのは、21年ぶり。あの時は
ある種の資格試験。会社の仕事上取得を強制
されたものであったが、普通資格を取ったら、その上
がまだ2つあるという。そこまでの取得義務は
なかったが、ついでだからやってみようとそれから
半年かけて、上級、特級とやり遂げた。
一緒にやろうという仲間兼ライバルがいた。
単身赴任中であったので時間はあった。
晩酌は欠かさず飲んで、ひと眠りして明け方
から勉強という日もあった。仕事も忙しかったが
そういう時は時間を有効に使用する。
 忙しいからとか時間がないなどと言い訳しない。
やる気があればできると確信したものである。

 そんな日々から21年が過ぎ、間もなく68歳。
受験勉強等ともう縁がないと思っていた。
 6月2日。仕事の関連で高田馬場にある、ある
印刷会社主催のセミナーに参加した時のことで
ある。会場のテーブルに展示されていた一冊の
本が目についた。
 「IPO実務検定試験公式テキスト」とある。
ふーんと手に取ってみた。
 500ページに近いその本は、活字も細かく分厚
くて重い、まるで辞書のような本である。
何となく興味を持って、書籍名、出版社を控えて
その日は帰社。次の日、紀伊国屋書店で問い合わ
せしたところ、新宿本店に在庫があることが分かった。
もうその時はやってみようと決意していた。

 「IPO実務」とは、
 財務、経理、税務、総務、人事、経営管理、
経営計画、会社法、金融商品取引法、資本政策、IR、
上場関連業務などの知識と応用を求められる業務である。
 幸い自分は47年間のサラリーマン生活で濃淡はあるが、
一通りこれらを経験をしてきた。そして上場も経験し、
その後の運営にも携わっても来た。その意味では、
私の人生そのものではないかとも言える。
 ただし、その後の法律改正だとかルール改正、社会の
変化などへの対応については勉強し直さなければならない。
 それはそれで頭に刺激を与え、ボケ防止にもなるだろう。
何よりも自分は本当に衰えてしまったのだろうか、過去の人
になってしまったのだろうか、それを確認したいという気持
ちが強かった。

 6月4日から受験を前提に学習開始。
 毎日の通勤時間に片道30分以上の学習をすることにした。
新聞雑誌はとりあえず中止とした。面白いことに受験すると
思うと眠くならない。最寄駅下北沢からは会社まで40分歩く
ことも継続した。だが、朝の小田急線は混む。立ちんぼでの
学習は、テキストも重く辛い。というわけで多少遠周りになる
が長津田から始発電車を利用した方が座って学習できるこ
とがわかったので路線変更した。電車代も余計にかかるが
勉強には金がかかると割り切った。土・日は半日図書館で
の学習と決めた。

 かれこれ1ヵ月を過ぎて試験日を決めた。9月10日(火)
と目標は定まった。それまではゴルフも自粛。生活のうち
会社勤務時間を除いては受験中心に集中することにした。
家族にも宣言した。
 分厚いテキストはⅠ回読み終えるのに1週間はかかる。
そのうち要点をノートに纏めそれを持ち歩くことにした。
こうすることにより2日に1回通読したような効果があった
ような気がする。また書くことによって少しは頭に残ると
信じた。
 年齢とともに理解力も記憶力も衰えていることを実感
しながら、しかし諦めることはなかった。8月の中旬過ぎて
疲れがたまってきたので、箱根で温泉三昧の2日を過ごし
たが、集中学習を兼ねたものであった。
 8月は熱く燃えた1ヵ月であった。

 9月に入り、学習の効果が少し出てきたように感じられた。
あと1週間の辛抱と自分に鞭打ってやるしかなかった。
 試験の前日は、大事をとって都内のホテル(健保組合の)
に前泊した。もちろん仕事はきちんと終えてからである。

 試験場所は都内のあるコンサルタント会社の会議室。
 30分前に到着。諸注意事項を聞いたのち定刻より早めの開始。
といっても制限時間60分は変わらない。試験官は付き添わず、
監視カメラでの管理体制。
 CBT方式の試験(いわゆるパソコン上でのテスト)である。
 パソコン世代に育っていない我々年配者には、これも一種
のハンデである。60分で約240問位の問題に回答する。
一問15秒平均で問題を読んで回答する。読み返していると時間
が足りなくなる。画面左側には回答した分だけ問題番号にチェック
マークが入る。右画面には残り時間が刻々と刻まれる。焦りたく
ないけど急かされているようだ。
 開始10分位経過した時点でパソコンの電源がぷつりと落ちる
アクシデントもあって、ますますプレッシャーはかかるのみ。

 やっと恐怖と緊張の連続が終わってテスト終了。
 「テスト終了」、「結果印刷」をキイインすると、2分後には検査官
が来室。
 「お疲れ様です。ハイ結果です」

 『81点 合格』の文字が・・・・・。(70点以上が合格です)

 68歳の手習い・ボケ防止を兼ねて・・・と始めたことであったが、
自分の社会人生活の経験・実績がどれだけ役に立つか、どれ
だけ経験・知識が頭の中に残っているか、その後の法律改正
やルール改正をどれだけ勉強することにより吸収できているか、
そんなことがある程度確認できたような気がする。

 3ヵ月間の受験勉強。それは私の社会人生活の集大成を
確かめたような気がする。
 残り少ない人生にこの知識・経験を少しでも社会に還元して
いきたいと考えているのだが・・・。

 <68歳の手習い第1ラウンドが終わった・・・9月14日記>
 



 
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