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<ロコモティブシンドローム>

 (「健康力」vol.23 :文藝春秋 2016.1月号 グラビアより 

      東京都健康長寿医療センター研究所 

老化制御研究チーム副部長 青柳 幸利氏)

自分に合った強度と量の運動を続ける

ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)とは、骨や関節、筋肉などの「運動器」と言われる部分に障害が起こり、自立した生活が送れなくなったり、そのリスクが高い状態のことを言います。寝たきりになる一番の要因です。

 また、認知症や動脈硬化のリスクを上げるともいわれており、ロコモの予防が健康寿命を延ばすための重要なポイントになります。

 自分がロコモかどうかを見極める最も手軽な方法は、横断歩道を信号が変わらないうちに渡り切れるかどうかを見ることです。もしも渡り切れなければ、既にロコモになっていると考えられます。

 ただし、ロコモになっていても悲嘆する必要はありません。適切な運動を続けることで、何歳になっても運動器の機能は回復するからです。

 

 私が群馬県中之条町で65歳以上の全住民約5000人を対象に行った調査研究で、一日当たりの歩く「歩数」と「中強度の活動=速歩きの時間」に応じて、ロコモをはじめうつ病や動脈硬化、メタボリックシンドロームなど様々な疾病の予防や改善が図れることが分かりました。

 研究結果によれば、男性は一日8000歩、20分の中強度活動、女性は一日7000歩、15分の中強度活動でロコモを予防できます。

 

中強度の活動は、一人一人の体力によって異なります。大まかな目安としては、3分運動(活動)したときに、息は上がるものの会話はできる程度の運動で、速歩きがおすすめです。

体力が落ちている人なら必ずしも速歩きする必要はなく、椅子からゆっくり立ち上がる、掃除機をかけるなど、日常生活の中でできる運動でもいいのです。要は筋肉を落とさないため、座ったり横になる時間を減らすことが大切です。

 

注意すべきなのは、自分に合った適切な強度の運動にとどめ、過度な運動を避けることです。過度な運動による疲労はその他の日常生活動作を減らし、かえって全体でのエネルギー消費が少なくなります。

 

1週間運動を続ければ、むくみや疲労感の軽減など、何らかの効果を実感できるでしょう。また、2か月続けることで、長寿遺伝子のスイッチが入るといわれています。

 

運動のタイミングは体温が高くなっている夕方が最適です。起床直後は体温も低く、血液の濃度も高いため、脳卒中などのリスクが高まるので避けましょう。

 

ロコモ予防には、食事も大切です。筋肉を維持、増加させるために、良質なたんぱく質やアミノ酸を多く含み、バランスの良い食事を心がけましょう。また、規則正しい生活リズムや十分な睡眠も大切です。

<次回は、3月号で掲載>

 

 


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