2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
美しさの裏にある努力で掴んだ銅メダル [アーティスティックスイミング]
ソウル五輪の水泳競技が行われたプール。鈴木大地が男子100M背泳ぎで金メダルを獲得した縁起のいい「3レーン」で、アーティスティックスイミング(当時はシンクロナイズドスイミング)のデュエットに出場する小谷実可子と田中京の二人は練習した。「自分たちも大地さんと同じようにメダルを取るんだ」という強い願いを込めて。 シンクロナイズドスイミングが五輪の正式競技に採用されたのは1984年のロスアンゼルス大会から。 華麗な種目だが、美しさを支えるには相当の努力を必要とした。小谷によれば、朝から晩まで10時間以上プールで練習すると、一日に2キロほど体重が落ちてしまう。しかし、浮力を維持するためには脂肪も必要で、そのために一日5000キロカロリー以上の食事をとっていた。 二人で演技をするデュエットでは、途方もない練習時間が必要になる。田中はこんな思い出を語ってくれたことがある。 「ずっと練習していると、日常動作でもシンクロしちゃって。ある時、プールから上がってロッカーに行き、着替えをしようとロッカーの扉を開けるタイミングまでがシンクロ。おまけに『どうして一緒なのよ?』と言い出すタイミングまで同じ。思わず二人で笑っちゃいました」 二人に対する期待は大きく、小谷は開会式で日本代表選手団の旗手を務めた。10月1日に行われたデュエットの決勝、二人はオリジナル曲「飛翔」が会場に響くとともにプールへと飛び込み、演技を始める。手、足の指先まで細やかな神経が行き届いていただけでなく、軽やかな曲調に合わせた演技は大きな拍手を浴びた.結果は銅メダル。 一日の三分の一以上の時間を水の中で過ごしてきた二人の努力が報われた瞬間だった。 【資料:「AGORA December 2019 」 文:生島 淳氏 より】 PR |
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