2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
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<超高齢化社会の楽観シナリオ>
 【文芸春秋】11月号に特集された、2050年「この国のかたち」と題する記事の中で、ポジティブなご意見が記載されていた。以下は、その記事の抜粋である。
題して「超高齢化社会の楽観シナリオ」(筆者:藻谷浩介氏)。
 
   【超高齢化と原発事故の経験が世界で売れる時代は必ず来る】
 
「これまで人類が経験したことのない高齢化社会―日本の未来には、きわめていびつな社会が待ち受けています。2040年の日本の人口は、85歳以上のお年寄りが1千百万人に対して0~4歳までの乳幼児が3百~4百万人。・・・・・・・2050年あたりの日本では、人口が1億人を切るのに後期高齢者は今の1.7倍に達して、最も厳しい時期を迎えていると考えていいでしょう。・・・・年金や医療にかかる費用がますます増え、現役世代の負担は大きくなる。企業は目先の業績を落とさないために、毎年のように賃下げを繰り返し、価格競争を突っ走る。GDPは現在の世界第3位から、2050年には、56位に落ち込み、ブラジルやロシアと肩を並べると予想されていますが、この先も賃下げと値下げを続ければ、消費は全く上向かず、GDPの一層の低下は免れません。
 しかし私は、「人口が減るから日本は衰える」といった議論には全く賛成できません。・・・・・2050年の日本について、私は楽観的なシナリオを持っています。・・・・・。
 第1に、日本の「健康寿命」(心身とも健康である年数)がすでに世界トップクラスであることが挙げられます。・・・・・・・・・。
 平均寿命は、国力を非常によく反映した数字だと言われます。寿命が延びているということは、日本がますます健康で文化的な国になっていることを示しています。・・・・・例えば、ロシアのように不況の影響で、男性の平均寿命が60歳を割り込む国もある訳です。・・・・。

【健康ブームは正しい】
アメリカ人の平均寿命は、日本人と比べるとおよそ4年も短い。車で移動する生活と脂肪分の多い食事の為に、比較的若いうちから健康を害し、病院通いを強いられる人が多いためです。2030年を過ぎるとアメリカも高齢化率が20%<65歳以上の比率で現在は12%>を超えますから、このまま行くと医療費が火の車になって国が破綻するでしょう。逆に、日本人は高齢でも元気な人が多く、健康寿命は男女とも70歳を超えています。世の健康ブームが一役買っているのは間違いなく、健康に気を配り、食生活を大切にする今の方向性は間違っていません。・・・・・日本で男性の平均寿命が一番長いのは長野県です。戦後「予防医学」についていち早く取り組んできた長野は、高齢者一人当たりの医療費も最も低水準。対してかって長寿を誇った沖縄県は、高齢者一人当たりの医療費がワースト10に入り、長野県の約1.3倍に達している。占領下で米国流の食生活が浸透したために、健康寿命が落ちたとみられています。・・・・・・・世界で最も効率的な医療セクターを持ち、しかも健康志向、予防医学、食育の普及など、正しい方向に向かう下地が出来ているのですから、あとは、この“長野方式”をどこまで広げられるかです。若い世代の一部にジャンクフードをバカ食いしている人達もいるようですが、食生活が崩壊すると日本人もアメリカ人のようになる。そうなれば日本の破綻はもっと早まります。

【電量不足が功を奏す】
 震災は日本の社会に大きな犠牲を強いましたが、・・・原発事故によって需要が高まった節電技術や断熱工法、耐震技術は、世界に売れる「日本のものづくり」となるでしょう。・・・・・・LED照明が普及し、省エネ家電が売れたことが功を奏しました。・・・経団連は、原発再稼働にこだわっていますが、経団連が取り組むべきはむしろ「節電キャンペーン」ではないかとつくづく思います。・・・・。
 節電キャンペーンを繰り広げれば、幅広い企業がもうかるチャンスとなります。照明をLEDに替え、クーラーや冷蔵庫などの省エネ家電、更に断熱住宅の買い替え需要を掘り起こせば、・・・苦境が伝えられるシャープやパナソニック、更にゼネコンや住宅、工務店という日本で最も苦しいと言われる業界に大きな稼ぎのネタを提供することになります。・・・・・省エネ家電の開発は間違いなく世界トップだし、LEDは日本発祥と言っていい技術です。断熱工法は今のところドイツが最も優れていますが、電力不足の日本では今後ますます需要が高まり、技術が発達するでしょうから、いずれ追い抜くはずです。耐震技術については、すでに世界の追随を許しません。
・・・・・。電力不足に悩む日本では、節電技術や断熱工法の開発に一層力が入るはずです。そしてその技術は、中国、韓国、インドといったエネルギー不足の国で売れる。20402050年ころには、世界中が日本の技術に頼るようになることは間違いありません。

【食糧は自給できる】
 日本が有利な点はもう一つあります。それは世界的な危機が予想される食糧資源の不足に陥らないということです。
 自然環境に恵まれた日本は本来、食糧はいくらでも自給できます、
戦後、人口が増えたために農業最適地が住宅地になりましたが、今後の人口減少によって半分以上は農地に戻すことが出来る訳です。農地に適した素晴らしい土が復活し、自給率はいくらでもあげられます。
 以上、将来に向けて日本の良い面ばかりあげてきましたが、「人類が経験したことのない高齢化社会」を迎えるにあたって日本が根本的に考え方を変えておかなければならないことがあります。それは経済に対する考え方です。
【値上げの天才の時代が来る】
戦後の小売りを引っ張ったのは、ダイエーの中内功さんをはじめ、文字通りの値下げの天才でした。以来50年以上、値下げこそ正しい商売のやり方だと信じられてきたのです。でも人口減少社会で同じことが通用するでしょうか。値下げをやり続けたら、食品スーパーは絶対倒産する。いま必要とされるのは、値上げの天才。・・・・・。
 リーマンショック後、アメリカは量的緩和の金融政策を採ってきました。・・・一時的に景気を上向きにさせてきましたが、しばらくすると株価は下がり、雇用は悪化することを繰り返しています。・・
・・・日銀はアメリカより先に・・2001年からすでに10年以上も続けています。でも効き目があまりないことは、もはや誰の目にも明らかでしょう。・・・・値下げにしろ、量的緩和にしろ、人口減少社会にふさわしいものではありません。・・・・・。
 
【スイスの賃金は日本の2倍】
日本の賃金はアジア諸国と比べて高いと言われがちですが、先進諸国と比べてべらぼうに高いかと言えば、そんな事はありません。スイスはすでに日本の一人当たり賃金の約2倍を払っています。
一般にGDPのうち約半分は人件費ですから、2050年までに一人当たり賃金を現在の1.4倍まで増やせば、日本のGDPは現在と比べて全く縮小しないという計算になります。逆にいえば、ベースアップしない限り、GDPは絶対に縮小します。
消費を増やすのに、もう一つ大事なことは、国民一人一人に消費する時間を与えることです。
人口減少とは、その国の国民が使える時間の減少でもあります。
1年が国民の数×24時間×365日しか時間がない中で、仕事ばかりしていては消費は一向に増えません。・・・・・・・。
経団連は「賃上げなどとんでもない」「福利厚生には十分配慮している」と言うでしょう。でも、そういった古い考え方を続ける限り、日本経済は、数々の有利な条件があるにもかかわらず、浮上することはありません。2050年まで約40年あります。40年という月日は時代が大きく変わるのに十分な時間です。・・・・1945年の悲惨な日本の国土を見て、誰が2度の石油ショックを乗り越え、経済大国となった日本を想像できたでしょうか。
40年とはそういう年月です。決定的にプレーヤーが変わるし、その前にヴィジョンが変わる。怖いのは、国や企業がかっての考え方にいつまでもしがみついて、新しい時代に踏み出す勇気を持たないことなのです。」

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