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「元気にキレイに」・・・自然の音

心を満たす虫の声、草むらに耳を傾けよう

 鳥のさえずり、小川のせせらぎ、虫の鳴き声・・・・・。古くから日本人を癒してきた自然の音。実は、科学的にもリラックス効果が確かめられているという。

 自然の音が人間にもたらす効果については、世界で様々な報告がある。

 

気分や認知能力を改善 心拍数や血圧下げる効果も

米国国立公園局などの研究チームは、自然の音にまつわる世界中の研究を解析し、昨年に論文を発表した。それによると、自然がもたらす音には気分や認知能力を改善したり、痛みや心拍数。血圧を下げたりする効果が確認された。さらに音の種類に着目すると、水の音は気分をよくする効果が大きく、鳥のさえずりはストレスや不快感を抑制する効果が大きかった。

 

では虫の鳴き声はどうだろう。そんな疑問に答えるユニークな研究成果を、千葉工業大学や日本工営中央研究所などのチームが今年発表した。

 研究チームは千葉県内の草原など22か所で虫の鳴き声を採取し、身近に聞くことができるエンマコウロギ、スズムシなどバッタの仲間4種の鳴き声を選定。これらを混ぜるなどして作ったサンプル音を65人の学生に聞いてもらい、心理効果を調べた。

 その結果、一種だけだと寂しげな印象の音もあったが、二種、三種と鳴き声を混ぜることで、穏やかな印象が高まることが分かった。音楽性も高くなり、リラックス効果が増すことが分かったという。

 千葉工業大の関研一教授は、「多様性がある音のほうが、人はホッとするということが心理的に確かめられた」と話す。「人は、何万年も昔から自然の中で育まれて来た感性がベースにあって、リラックスしたり、感動したりしているのかもしれません」

 

とはいえ、真夏に耳にするセミの鳴き声は暑苦しい。心地よい音の要件には高さや強さなども関係するという。

 スズムシなど実験で用いた虫の鳴き声は、高い周波数の音が主体だった。一方で、セミの声は野太く大きいことも。「もともと大きすぎる音は、人間、あまり好きでないですよね」と関さん。虫の音の心地よさは、音の高さや大きさと、ハーモニーから生まれているといえそうだ。

 虫の音というと秋をイメージしがちだが、「実は五月ごろからもう、虫たちは鳴いているんですよ」と日本工営の徳江義宏さん。「遠くの自然までいかなくても大丈夫。足元の緑にちょっと耳を傾けてみてください」(鈴木彩子)

 

<田舎で育った私には、鳥のさえずりも、小川のせせらぎも、虫の鳴き声も、みんな私の心を癒してくれた思い出がある。共通して言えることは、これらには、程よい高さや、大きさや、ハーモニーがあった。これが自然さというものであることを思い起こされる。…60年前の郷里「横手」が懐かしい・・・HS

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