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2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
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日本企業と組めば「クリーン」

 対策が後手に回る地方政府が、高い環境技術を持つ日本企業に助けを求める姿も目立ってきた。地方幹部の人事考課に環境対策の成果が反映されるようになり、「反日」ばかり叫んでいられなくなったからだ。

 三菱日立パワーシステムズは7月、中国の電気集じん機メーカー最大手の浙江菲達環保科技(浙江省)と合弁会社の設立で合意した。両社の技術を活用し、3年後にはPM2.5除去システムで売上高200億円をめざす。

 

習近平国家主席は、環境問題への危機感を強めている(3月、北京の人民大会堂で開いた全国人民代表大会=全人代=閉会式)=AP

 PM2.5の発生源の約2割を占める石炭火力発電所は、今後も年5000万~6000万キロワットの増設計画がある。三菱重工業でエネルギー・環境部門を担当する副社長の前川篤は「これからPM2.5で膨大な需要が出てくる」と予測する。

  「市民の抗議が殺到しているので、3カ月で改善できないか」。宮崎県延岡市の清本鉄工は大連市政府からこんな依頼を受け、膜と微生物を組み合わせた汚水処 理プラント(日量5千トン)を1年がかりで建設。同市の保税区に集積する自動車部品工場が汚水を垂れ流し、異臭を放っていた河川は、徐々に清らかな流れを 取り戻した。

 現地法人の総経理、石本順一は「日本では当たり前のプロセスを踏めば、中国では競争力となる」と強調する。水質を改善する薬 品など適切なランニングコストを投じ、問題が起これば速やかに報告する。日本企業の維持管理ノウハウを継続していれば、中国では信頼につながるというの だ。

 もともと中国で工場が外部に放出できる水質の規定は、東京湾の基準よりも厳しいという。それでも汚染水の垂れ流しが止まらないのは悪質な業者が賄賂で規制を逃れる事例が後を絶たないからだ。

  ところが、最近は「市民パワーが不正を許さなくなってきた」(石本)。物言う市民はネットという武器を利用し、職務怠慢な地方政府の幹部らを名指しで告発 するようになった。習近平指導部は、汚職や腐敗に手を染め、抗議デモを収拾できない地方幹部の責任を問う方針とされる。

 この流れが「日本 企業頼み」を加速させている。東北部のある地域で日本企業から下水処理設備を導入した事業の関係者は「日本企業ならリベートや賄賂が飛び交わないというイ メージが定着しているから発注しやすい」と解説する。地方政府幹部にしてみれば「日本企業に発注すれば中央政府に清廉な印象をアピールできる」というわけ だ。

 「日本は環境先進国」「日本の技術なら間違いない」--。反日のコメントが多い中国のネット世論も、環境技術では日本を素直に評価す る書き込みが目立つ。日中両政府がいがみ合っても、市民にとって重要なのは澄んだ空気や安全な食品だ。環境技術を巡る日本への好意的な視線は、日中関係の 行き詰まりを解く糸口になるかもしれない。=敬称略

(大連=森安健)


<以上 2014-8-4 付 日経ニュースより>

 



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