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環境亡国・中国 「不!(NO)」突き付けた市民

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2014/8/4 7:00

フォームの始まり

フォームの終わり

 海外の観光客は中国を敬遠し、外資は直接投資をためらう。中国の国際競争力の低下を招いているとの指摘さえ出始めた。

環境対策の成果、人事に反映

 「大気の品質が上がれば、幸福感も上がる。生態や環境を守ることは生産力を守ることでもある」。国家主席の習近平は危機感を隠さない。

 

 

中国政府は深刻な大気汚染の削減目標を打ち出したが…(写真:遼寧省の火力発電所)=ロイター

  中国政府がまとめた「大気汚染に関する行動計画」では、北京など汚染が深刻な地域のPM2.5濃度を25%削減する目標を打ち出した。大気汚染の主因であ る自動車の排ガス規制も、2014年春に「排ガス規制に適応しない古い自動車を年内に600万台廃棄する」と決定。31省・自治区・直轄市に廃棄台数を割 り当てた。

 ただ、実行部隊の地方政府が本腰で取り組まなければ、効果は期待できない。中央政府は「環境対策の成果を地方幹部の人事考課に反映する」と表明した。ところが、肝心の現場では混乱やいら立ちが募る一方だ。

 上海に隣接する港町として有名な江蘇省太倉市は、中央政府の指導を受けて、大気汚染対策とし農家の野焼きを禁止。「放置した役人は更迭」というルールも作った。市の担当者らは連日農村を車で巡回し、煙が上がった畑を見つけると、すっ飛んで行ってやめさせた。

 たしかに収穫後の小麦やトウモロコシの茎や枝を燃やせば、大量の煙が広範囲に舞い上がる。しかし、燃やさなければ、二毛作の畑に次の農作物を植えることができない。

 困った農民らは、大量の茎や枝を河川に投棄し始めた。すると、市内の河川は至る所でせき止められ、市政府は水質汚染や洪水など新たな問題に頭を悩ませることになった。

  場当たりの対策は、住民の不満や不信を増幅させるだけだ。6月下旬には山東省青島市で、ビール会社が基準値を超す汚染水を川に垂れ流していたことが発覚し た。だが、ビール会社に科した罰金は、わずか654元(約1万800円)。企業は大金を投じて汚染対策を施すより、汚染水を流して罰金を払った方が安く付 く。機能しない行政の対応に地元住民の怒りは爆発した。

 効果の上がらない行政の対応にしびれを切らした富裕層の中には、北京など大都市から脱出する「環境移民」も増えてきた。

 <以下、次回>

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