2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
人形町の交差点近くに“きしめん”とだけ書いた看板の店がある。ある日、懐かしいな、と思いながら入ってみる。店内は、右側に仕込み場があって、従業員が4名。受付兼供給をお一人でこなすお姉さん(娘さん?)。その後ろに主人らしき人が、きしめんを一人でゆでている。その横に、盛り付けを担当している奥さんらしき人。右隅の窓口には、洗い場と最後に大声で、“あざっす”と大声で客に礼の挨拶をするお兄さんがいる(息子?かも)。ひょっとして家内経営かしら?と想像させられる。私は勝手に、「きしめんカルテット」となずけている。 向かい側は、5人掛けのカウンターと、7~8人の立ち食いカウンターのみ。右側が作業場、左側が客席という、いたってシンプルな立て付けである。テーブルはない。 メニューは、暖かいのと冷たいきしめんONLYである。そのきしめんに、トッピングとして、タヌキ、キツネ、月見、かき揚げ、海老天、まいたけ、野菜天、玉ねぎ天などが温・冷それぞれにあって、ほかに付属として、おにぎり、いなりなどをオプションで置いてある。これだけあれば、1週間に、毎日トッピング替えたら、きしめんの好きな人なら飽きないだろう。 ある日、私は、まじめくさって窓口の女性に特別注文を出したことがある。“とろろ”はありませんか? と申し出たのである。窓口の彼女は返答に困ったのか、奥の主人に話をつないだ。主人は恭しく挨拶をしながら、こう答えた。「すみません。あいにく”とろろ”は用意しておりません。あれ(とろろ)は、材料を洗って、皮をむいて、摺って~というように手間がかかるのと、保存が難しいのでやっていません。どうぞお許しください」と説明があった。私はすかさず、「とろろは、血圧の高い人には、降圧効果があって、健康食品ですがね」と申し上げ、それ以上は失礼だから申し上げなかった。 「名古屋きしめん」は、今から約30年前に愛知県安城市にある、東海地区の拠点勤務時代によく食べた。この地区には、もう一つ「釜揚げうどん」という名物があって、寒い時期には釜揚げうどんをよく食べた懐かしい愛好品である。 人形町で出会った「きしめん」屋さんは、文字通り主商品・材料はきしめんのみ。ちょっとしっかり目の硬さとたれが抜群にうまい。これを温めたり冷たくしたり、そしてそれにトッピングに客が好みそうな種類を用意しただけの商売だ。やりようによって、単一商品にバリエーションを考えた商売だけで、立派に経営をしている典型的な経営モデルを見た。 その後、勤務先が変わって、「きしめん」屋さんが遠くなってしまったのが残念である。 (下の写真は人形町の「きしめん」屋さんの客カウンター席側壁面に掛けられている写真) c PR |
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