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2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
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 (文藝春秋5月号からの抜粋  その3)
 
<飲んでもムダな薬リスト>・・・抜粋

3.高齢者に多い睡眠薬の服用
 高齢になるほど眠れる時間が短くなり、不眠に悩む人が増えるので、日本でも睡眠薬を飲んでいる高齢者は多い。しかし、米国老年医学会は、「通常、高齢者は最初に睡眠薬以外の方法を試すべきだ」として、次のように書かれている。

 <多くの睡眠薬の広告が、睡眠薬は完全で安らかな夜の眠りに役立つと宣伝しています。しかし、様々な研究によると、これは現実の生活では真実とは言えません。平均的に見て、これらの薬のうち一つを服用している人は、薬を飲んでいない人に比べて、わずかに長く良く眠れているだけです>・・・効果が小さいだけでなく、睡眠薬には深刻な、死ぬことさえある副作用もある。若い人より高齢者の方が、成分が長く体内にとどまりやすく、薬の影響を受けやすいからだ。

 この項目では、「より良い睡眠のためのヒント」も添えられている。
 <よく眠るには、活動的な生活が大切だが、就寝前の数時間は活発な動きを避けること。習慣を守って週末でも毎日同じ時間に起床し、就寝すること、就寝前には食べないようにして、食後3時間以上空けてから眠ること。午後3時以降はカフェインを避け、アルコールを控えること、などのアドバイスだ>


4.過剰な検査
 過剰な投薬を受けるきっかけになる大きな要因の一つが、過剰な検査だ。・・・米国総合内科学会によると、「健康な人に毎年の身体検査はたいてい不必要で、益よりも害をなすことが多い」というのだ。

 <あなたの体のために、主治医は血液や尿、心電図と云った検査をオーダーするかもしれません。時折、これらの検査が、リスクを持たない健康な人に行われることがあります。しかし、毎年の健康診断の有効性を調べた研究がたくさんありますが、概して、健康維持や長生きにはつながらないようです。また、入院の回避や、がん、心臓病による死亡の予防にはほとんど役立ちません>


5.「価値の低い医療」もある
 健康診断には、「偽陽性」の問題もあると指摘している。偽陽性とは、実際には問題がないのに「異常」とされることを指し、それによって不必要な追加の検査や治療が行われてしまうことがある。この様な健康に対する悪影響だけでなく、過剰な検査や治療による医療費の浪費に対しても、警鐘を鳴らしている。もちろん、検査が必要なケースもある。

 <「体調が悪い」「病気の症状が出ている」「慢性の症状が続いている」「新しい薬の効果を調べる」「喫煙や肥満などのリスクを持っている」と云った場合は、検査した方がいい。こうしたケースを除いて、普段健康的な生活をおくれているならば、定期的に健康診断を受ける必要はないということなのだ。
 他にも、「骨密度の検査」「腰痛に対する画像診断」「頸動脈の検査」「喫煙者に対する肺がんのCT検診」「PSA検査(前立腺がん検診)」などが、過剰になりやすい検査としてリストに上がっている。


6.推奨しない検査

 2015年に日本の地域医療機能推進機構のグループが、推奨しない検査などについて5つのリストを作成している。
1)症状のない成人に対するPET-CTを使ったがん検診
(2)症状のない成人に対する腫瘍マーカーを使ったがん検診
   PET-CTや腫瘍マーカーによるがん検診は、民間の人間ドックなどでよく行なわれて
  いるものだ。これらの検診で死亡率が下がるというエビデンスはなく、高額な料金で行われ
  ることに、以前からがんの専門医などから批判の声が上がっている。
(3)症状のない成人に対するMRIを使った脳検診
   「脳ドック」と称してよく行なわれているが、これも「リスクの低い無症候性脳梗塞や脳
  動脈瘤を見つけて患者を不安にさせるだけ」と疑問視する専門家が多い。
(4)特に異常のない腹痛に対する習慣的な腹部CT
(5)医療提供者の利便性のために尿道カテーテルを留置すること
   腹部CTや尿道カテーテルも、医療現場で必要性を吟味しないまま行われていることが多いと指摘されるものだ。

 これら5つに限らず、日本でも無駄な検査や治療はたくさんあげられるだろう。今後、各学会がこの運動に呼応し、5つのリストが増えていくことを期待したい。

 チュージング・ワイズリー・ジャパンの設立メンバーとなった徳田医師が話す。
「米国の医療費の3分の1が、無駄な検査や治療に使われていると試算されています。日本でも、かなり多くの医療費が無駄に使われているでしょう。このままでは、保険財政が破たんしかねません。それを防ぐためにも、これからますます、「価値の低い医療(Low Value Care)」による無駄をなくして、「価値の高い医療(High Value Care)」に集中していく必要があります」

(以下:省略)
 
<文藝春秋5月号 「大特集 食と薬の常識が変わった」
         -飲んでもムダな薬リストー
          医療ジャーナリスト 鳥集 徹 氏 より抜粋 >

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