2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
「老いない体の作り方」について読書感想です。
最近巷で隠れたベストセラーになっている本がある。
骨博士が教えるー「老いない体」のつくり方―
キーワードは、骨と軟骨を強くすることだ!
「健康で長生き」の秘密は骨にある!
と言っている。
少し内容を紹介したい。
<骨と軟骨の話>
[日本は高齢化先進国]
・日本の男性の平均寿命は79歳(世界第2位)
・ 同 女性の平均寿命は85歳(世界第1位)
・高齢者とは65歳以上を指すが、日本は高齢者人口22%
(2007年現在)2050年には36%と推測されている・・年金 はどうなっているだろう。医療費はどうなっているだろう・ ・・と私は心配だがそんな事は書いてない)
・80歳になると平均して8種類の病気を持つ→このため
寿命よりも生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させ てしまう
[高齢者の寝たきりの原因の1割は骨粗鬆症]
・骨粗鬆症とは骨がスカスカになった状態
・年を取ると、骨折等で治癒する力が落ちてくる(仮骨が
出来にくくなる)
・長期間の安静で心身の活動性が低下することにより引き
起こされる病的な状態のことを[廃用症候群]と言う。
筋肉:1週間の安静で、約10%の筋力低下
関節:3週間の安静で、固くなり曲がりにくくなる
心・肺:3週間の安静で、機能が10%以上低下
高齢者においては、安静による悪影響である廃用症候
群がより顕著に出やすくなる→そのまま寝たきりになっ てしまう事が多い。
[女性に多い変形性関節症]
・お年寄りがひざが痛いとか、膝に水がたまって歩きにくい
とかは、多くはこの疾患が原因。男性よりも女性に約4倍 多くみられる
・関節は、骨と骨をつなぐとともに、衝撃を吸収し、滑らか
な運動を可能にする。その際に[クッション]と「ちょうつ がい」の両方の役割をしている組織が関節軟骨です。
・関節軟骨が、老化に加えて長年の使用で過剰な力学的
負荷を受け劣化するために起こるのが「変形性関節症」 と考えられている。
・肥満が重要な危険因子(リスクファクター)と言われている。
[寝たきりにならないためには、骨と軟骨の病気予防が重要]
<骨や軟骨などの「運動器」の低下に気付くためのチェック>
①片足立ちで靴下をはけない
②家の中でつまずいたり滑ったりする
③階段を上るのに手すりが必要
④横断歩道を青信号で渡りきれない
⑤15分位続けて歩けない
これらが1つでもあれば、運動器症候群(ロコモティブ・シンド
ローム)の可能性がある→医療機関の受診を!
≪特に高齢者においては、寝たきりになるという事は、単に
運動の自由を奪われたことにとどまらず、更に運動能力の 低下が進行するとともに、心臓や肺などの他の臓器の機能 も低下する。又外界との接触が減って精神の活動も低下し、 認知症になりやすくなる≫
・・・・・中略・・・・・
<間違いだらけの健康常識>
[骨の病的老化を促進する過度のダイエット]
・過度の体重減少は骨粗鬆症のリスクファクターとなる
→栄養摂取が少なく、骨の材料となるカルシュウムやタン
パクなどの摂取が低下していることが大きな原因です。 変形性関節症のリスクにつながります。
・特に、長期間にわたって1種類の食べ物だけを摂取した
り、断食する方法は、栄養のバランスを崩し、骨に必要 な栄養素であるカルシュウム、ビタミンD、蛋白、ビタミン K、ビタミンC、マグネシュウム、微量元素等の不足を招 きます。
・「痩せるために食事は取らず、お酒だけ飲んで食事を済
ます」では健康を 維持するのに十分な栄養を得ること ができません。お酒は、「エンプティ・ カロリー」(空っぽ のカロリー)ともいわれ、エネルギー以外の栄養素はほ とんど含んでいません。
[過度の肥満は軟骨の病的な老化の最大のリスクファクター]
・肥満はまた、歯周病のリスクを高め、更に、過度の肥満は、
動脈硬化や 糖尿病などの他の臓器の生活習慣病のリス クを高めます。
<過度のやせも肥満も、また、過度の安静も過激な運動
も骨と軟骨の健康には望ましくないことになります。 [中庸]が大事>
[サプリメントより、バランスのとれた食事]
・軟骨の成分の1部であるコンドロイチンやグルコサミンが
有名ですが、コンドロイチンは分子量が大きいので飲んで もそのまま吸収されません。グルコサミンは吸収されるの か確実には分かっていません。 ・ダイエットで食事制限をしているときに、足りない栄養素 だけをサプリメントで補うのは、健康に必要な栄養素を すべて摂取することは極めて難しい(前記の骨と軟骨の ための栄養素の他にも炭水化物や脂肪分など、普通 の食事に含まれている栄養素を摂取せねばなりません)
・ダイエットは結構ですが、栄養素を犠牲にするようなダイ
エットはすべきでありません。栄養素のバランスを保ち ながら、カロリーを無理のない範囲で制限する形が望ま しいのです。(加えてカロリーを消費することも必要です ・・・読者の声)
≪無理なダイエットは将来に亘って骨と軟骨の健康を
犠牲にしてしまう≫
[喫煙と過度の飲酒は骨の病的老化を促進する]
・喫煙は骨量を減らすだけでなく、歯周病を悪化させます。
過度の飲酒は、食事を十分に取らず、栄養バランスが 悪くなり、骨の減量となるカルシュウムやたんぱく質の 摂取が低下し骨量の減少につながります。コーヒーに 含まれるカフェインの過度の摂取が、尿からのカルシュ ウムの排せつを増やして、骨量を低下させる可能性が あります。
≪喫煙はきっぱりとやめるべきであり、アルコールも
カフェインも大量に摂取することは慎むべきで、やは り[中庸]が大事!≫
≪例え有名で人気のある健康法であっても、きちんと
した有効性のデータがあるか、骨や軟骨の病的老化 を促進するリスクファクターを含んでいないかを冷静 に見極めることが大事≫
≪[ある1つの事をするだけで、すべての問題が解決
する]というような宣伝に出会ったら、決して飛びつ かず、眉に唾をつけるべきです。我々の体の仕組み は、理解しているよりずっとずっと複雑です≫
<骨と軟骨を強くする実践編>・・まとめ
[乳製品、魚、豆腐などから十分なカルシュウムを摂取
する]
・カルシュウムは我々の体が作り出すことのできる物質
ではないので、食物から十分な量を摂取する必要が ある
・カルシュウムが豊富な食べ物の代表は乳製品。牛乳
に含まれるカルシュウムは吸収効率が高い。
・動物性の食物では、イワシの丸ぼし、シラスなど。植
物性では、豆腐、大豆、ゴマ、干しヒジキ、小松菜など。
・インスタント食品、加工食品、清涼飲料水には大量の
リンが入っていて、カルシュウムの吸収を妨害します。 過剰には取らないことが賢明。
・食塩の取り過ぎは、カルシュウムの尿への排せつを
増加させ、高血圧の原因にもなる。
[欠かすことのできないビタミンD]
・ビタミンDは、少量であれば皮膚において合成すること
ができる。食事から十分なビタミンDを摂取できない場合、 日光をある程度浴びないと、ビタミンDの不足が起きます。
・ビタミンDは、魚類に豊富に含まれています。魚を普通に
摂取していれば不足することはないといわれています。 その他、牛乳やシイタケにも含まれています。
[タンパク質だけでなく必須アミノ酸と炭水化物が同時に必要]
・骨の健康を増進しようと思うのならば、たんぱく質も十分
に取る必要があります。本当に重要なことは、たんぱく質 を摂る際の20種類のアミノ酸のバランスです。特に必須 アミノ酸と呼ばれる8つのアミノ酸は食物から摂取する必要 があります。
・白米には、リジンという必須アミノ酸が不足しているので
これを補うためには、卵や乳製品や肉・魚などの動物性 のたんぱくが必要です。
[ビタミンK、ビタミンC、マグネシュウムも忘れずに]
・ビタミンKは、納豆、チーズ、肉、卵、乳製品、青野菜に
豊富に含まれています。
・ビタミンCは、新鮮な野菜や果物に豊富に含まれています。
・マグネシュウムは、海藻、野菜、豆、魚、穀物などに豊富
に含まれています。これらを含む食事をしていれば、欠乏 症が起きることはないでしょう。
[1日に歩く距離が長い人ほど、死亡率が低い]
・適度な運動が、老化を遅らせることは、古代ギリシャの医師
ヒポクラテスも指摘しております。
・過度の安静も、過激な運動も骨の健康には好ましくありま
せん。運動の強さとしては、汗ばむ程度の、中程度くらい の運動が、骨の健康に最も効果的であると考えられてい ます。
・運動の種類として確度の高いデータが出ているものとしては、
ウオーキング(歩行)と筋力トレーニングがあります。
・ウオーキングは、腰の骨も大腿の骨も骨量を増加させます。
1日30分程度、汗ばむ程度の強さで、ほぼ毎日続けるのが 良いとされています。
・筋力トレーニングは、腰の骨の量を増加させるのに有効です。
[酒は1日1合、コーヒーは2杯まで]
・過度の飲酒は、栄養状態を低下させ、骨の量を減らしてしまう。
・アルコールは日本酒に換算して1合以下とされています。
・コーヒーに関しては、カフェインの過剰摂取(1日3杯以上)が、
尿へのカルシュウム排泄を増加させ、骨の量を減らす可能 性があります。
・「中庸」が大事という事で、コーヒーも1日1~2杯にとどめる
べきです。
[肥満の抑制には、食事の際、必ず最初に野菜を摂る]
・肥満を防ぐためには、バランスのとれた食事をとるとともに、
摂取するカロリーの総量には気をつけて「腹8分目」でとど めるべきです。
・1日に消費するカロリーよりも、少ないカロリーを食事として
摂取し続ければ必ず痩せます。(当然の話ですが)
・食べ過ぎを防ぐ有用な習慣の1つとして、食事の際に、
最初に野菜類を摂取することがあります。
・最初に生野菜のサラダやおひたしなどを摂って、そのあと
にメインの食事に移行するのです。こうすることで、お腹が 少し膨らみ、満腹感が増して、過食を防ぎます。
[軟骨を強くするにもウオーキングが効果的]
・軟骨も、過度の安静や過激な運動は、ともにマイナスの
影響を与えます。過度の安静は、[廃用症候群]により 痩せて委縮し、過激な運動では、過度の衝撃や荷重が 加わり、軟骨の変性が引き起こされます。
・軟骨の場合も骨の場合と同じで、汗ばむ程度の運動習慣
で、種類としては、骨と同様で、ウオーキングなどがお勧め です。
以上をすべてまとめると、
食事:カルシュウム:乳製品に豊富、ついで魚類
ビタミンD :魚類に豊富、日光も適度に浴びる
タンパク質 :アミノ酸の比率を考えて、植物性・動物性
の食物を偏りなく
ビタミンK :納豆やチーズに豊富
ビタミンC :生野菜やジュースに豊富
マグネシュウム :海藻、野菜、豆などに豊富
亜鉛 :貝類に豊富
≪摂取カロリーの制限により肥満を防ぐ≫
運動:運動の強さ :中程度(汗ばむ程度)
運動の頻度 :毎日30分程度
運動の種類 :ウオーキングなど
≪関節の周りの筋力をつけるようにする≫
嗜好品:喫煙 :やめる
飲酒 :1日に日本酒で1合以下
カフェイン:コーヒーは1日2杯まで
<この本で学んだこと>
・日本は押しも押されもしない世界の最長寿国となった。
だが、単に寿命が延びただけでは「老い」を克服したこと にはならない。キーワードは、QOL(クオリティ・オブ・ライフ) [生活の質]が伴う事。QOLの高い健康寿命を延ばすこと こそが、高齢社会における真の目標であるという。
・その為に、「老い」の一般的メカニズムを学び、骨と軟骨が
「老い」のリスクファクターとなることを知り、骨と軟骨の老い を防ぐ具体的な方法に関して、食事、運動、嗜好品を知り、 多数の種類の食物をまんべんなく「腹八分目」を摂ることで、 今流行りのサプリメントに頼る必要がないこと。
・極度の安静や、過激な運動を避け、1日30分程度の汗ばむ
程度のウオーキングが良く、たばこはやめて、お酒は1日1合 以下、コーヒーは1~2杯。
・生活習慣において「中庸」を守り実践すること。
≪私を含めて高齢者(65歳以上というが)はもとより、若い世代
にも即実践を求められる内容であった≫
この本の一読をお勧めする。
・「老いないからだ」のつくり方
・著者:鄭 雄一(ていゆういち) 東京大学大学院教授
・発行所:ワック(株)
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