2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
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≪現代医療との付き合い方≫
 文芸春秋6月号よりー「最善の医療」・・渡辺淳一(作家)、松木康夫(医師)
                   両氏の対談記事より抜粋
 
 両氏はともに昭和8年生まれの医師。
 「現代医療との付き合い方」というテーマの対談記事で、興味深い内容が多々あった。
 
その1.「米国の医療はカネ次第」という話。
 ・日本では、健康保険制度によって、すべての国民がいつでもどこでも、それなりの水準の医療を受けられるようになっているが、米国ではそうではない。
 
 ・米国では、収入が高い人と低い人では、入る保険が違う。保険にもランクがあって、それによって治療が受けられる病院も決まる。当然、高い保険料を払えば、よりいい医療が受けられる。・・・米国の医療には「資本主義」が導入されている。
 
 ・ある病院で、夕方、大腿のあたりを血だらけにした男性の急患が病院に運ばれてきた。一刻も早い処置が必要に見えたが、医者が、その男性が持っている保険証を見た途端、「ここで診る訳にはいかない」と受け入れなかった。・・・・
患者はあっさりうなずいて去って行った。という。
 その時同じ病院に来ていた米国人に、「ひどいじゃないか」というと、「いや、そんなことはない。当然だ」と。
 「あいつは多分、若い時から飲んだくれて一生懸命働いたことがない。おれは小さい時から懸命に勉強して努力して、現在の地位を築き、高いランクの保険証を持って、この病院に来ているのに、あんな低いランクの保険証しか持てない奴と同じにされては、たまらない。命を左右する病気を治療してもらう時に、あんな飲んだくれとおれが同じ治療を受けるのは許せないよ」という。
 日本人の多くは、人間の命はみな平等と思っているが、本当は違う、若い時からしっかり働いて社会貢献してきた人と働かず飲んだくれてきたものでは命の重さは違う、という考え方がアメリカではゆき渡っている。
 
その2.「主治医の選び方」について
 ・最近はお医者さんのイメージが変わってきて、患者が頭を垂れて教えを乞う「先生」から、人生のよき「伴走者」になってきた。特に60歳からは、親身になって、相談に乗ってくれる医者を見つけておくことが大切。
 松木氏は、そんな思いから、『医者を選ぶのも寿命のうち』(講談社)という本を書き、60歳からの主治医の選び方には、いくつかのコツがあるという。
 
 ・まず第1に[近いこと]。主治医には様々な事を気軽に相談できなければ、意味がない。近くないと、どうしても足が遠のいてしまう。
 第2は「設備が整っていること」。少なくとも心電図がとれて、胸と胃のレントゲンが撮れる設備がある病院を選んだほうがいい。
 第3は「内科医」を主治医にした方がいい。実際の治療は専門医を紹介してもらうにしても、主治医には体全体を診られる医者を選んだほうがいい。
 (でも、最近は「体全体」どころか、患者の顔を見て話さない。体を見ずにパソコンの画面だけ見ている医者が多くて、あれでは信用できません。そういう医者は病気だけを見て、病人を見ていない。それでは主治医は務まらないんじゃないかと思う)・・・医者はまず患者の顔を見て、体に触れ、話をしっかり聞き、患者を安心させてほしい。
 第4は「顔が広いこと」。専門外の病気が発見されたときに気心の知れた専門医を紹介してくれるからです。「顔が広い」医者の多くは、勉強熱心であり、学会で積極的に発表したり、医学の知識を深めるために専門外の医者と交流するうちに自然に顔が広くなる。
 第5は「患者離れがいいこと」。問題の病気を直すのに自分よりもいい専門医がいると思ったら、すぐに紹介してくれて、自分のところで取ったデータを快く貸し出ししてくれないと、大きな病気の時は、それこそ取り返しのつかないことになりかねない。患者の事を第1に考えてくれているわけで、逆に、「僕の事を信用しないのですか、任せてください」と他の病院に行くことに反対するような医者は要注意。
 第6は「脂の乗った35から65ぐらいの年齢」であること。
 第7は威張らなくて、酒が好きで、カラオケやゴルフが好き、というような「人間臭い医者」がいい。主治医には何でも対等に、そして率直に相談できる方がいい。
 最後に大事なことは「自分とウマが合う事」。どんなに名医でもウマが合わないと、自分の体を預ける気になれないから。「この先生にやってもらってダメなら仕方がない」と思わせるぐらいに人間味のある医師が理想である。という。
 ・患者の側も「いい患者」になるよう努力しなければならない。自分なりに勉強し、自分の頭で冷静に考える努力も必要である。
 
・・・・その他、患者にとって理解できる、納得のいく対談内容でした。
 

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