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2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
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「中欧の旅」<余韻・・その2>
 
 
1.[中欧とは?]
 ヨーロッパ大陸の中間に位置しているのが、ポ-ランド・チェコ・スロバキア・ハンガリー・スロベニア・クロアチアなどである。
 これらの国は第2次世界大戦後、社会主義国となって西ヨーロッパ諸国から遮断され、東ヨーロッパ(東欧)と呼ばれていた。
 1989年のベルリンの壁崩壊後、東西の壁がなくなると同時に、政治的な意味での「西ヨーロッパ」、「東ヨーロッパ」という呼び方も消えた。かっては社会主義国を意味していた「東欧」という名前は、現在おもにロシアや黒海に接する地理的に東のヨーロッパ諸国に使われている。そしてかっての西ヨーロッパ諸国と国境を接する国々は、現在は地理的にヨーロッパの中央にあることから、「中欧」と呼ばれている。
 
2.[4国を結ぶつながり]
 ドイツ、オーストリア、チェコ、ハンガリーは人種も言語も異なるが、共通の文化を持ち、歴史的にも深い結びつきがある。
 これらの国はハプスブルク帝国の領土をなした地域であるため、時代によっては共通の国王や皇帝が存在するなど重なる部分がある。
 チェコのボヘミアは神聖ローマ帝国に属し、カール4世の時代には、プラハが帝国の首都になって繁栄した。
 ハンガリーは近世からオーストリアに支配され、19世紀にはオーストリア=ハンガリー2重帝国が発足。このようにチェコもハンガリーも常にドイツ、オーストリアの影響を受けていたため、ドイツの文化圏に近い国と言われている。
 
3.[ハプスブルク家の歴史]
 スイス・アルプス山中の小貴族であったハプスブルク家が歴史の表舞台に現れたのは、1273年にルドルフ1世がドイツ国王に選出され、さらに1278年にボヘミア王を打ち破ってから。
 15世紀末には[婚姻政策]を打ち出し、戦わずして領土を広げていった。18世紀のマリア・テレジア時代にハプスブルク帝国の文化が花開く。18世紀末にはハンガリーが支配下におかれ、19世紀末のオーストリア=ハンガリー2重帝国にはボヘミアも組み込まれ、ハプスブルクの旗のもとに、オーストリア、ボヘミア、ハンガリーの3国が同じ君主を持った時代となり、20世紀に入ると、第1次世界大戦でハプスブルク帝国は崩壊。その歴史に幕を閉じた。
 
4.[中欧の旅の楽しみ]
 
(1)中欧の旅の楽しみの一つは、ヨーロッパの中でも古都といわれる中世の街並みが各地に残り、保存されていること。
 世界遺産に登録されて保護されているところが多くあり、長い歴史を経て今なお往時の面影をとどめている。そんな街が醸し出す情緒に触れると、日本<木の文化、農耕民
族、仏教>とは異なる文化<主として石の文化、狩猟民族&キリスト教>に一種の新鮮さすら感じられる。
 ヨーロッパのこれらの国は、日本と違って陸続きで隣国と接していること、大河(ライン川、ドナウ川、ヴルタヴァ川など)が各国に跨って流れていることがある。最近では“EU”国間ではパスポートなしでの通行が可能となっているが、スロバキアやチェコの国境では未だ通行自由となっていないところもある。また、各国の事情によって道路事情(特に道路の補修)が多少異なる。ドイツ、オーストリアの道路はどこでもよく整備されている。ハンガリーからスロバキアについては、幹線道路でも整備が不十分と思われる個所が多かった。
 EUに加盟していても通貨はユーロでない国もある(ハンガリー、スロバキア、チェコ)
しかし、その地域でもユーロが使えないわけではないが、釣り銭(硬貨)は現地通貨で返ってくる。小銭程度なら記念にということで多少持ち帰ったが・・・。
 
(2)中欧の食文化にふれる
 旅の楽しみの一つに[料理]がある。
ウイーン料理:ドイツ料理を基本に近隣の国の料理やトルコ軍がもたらした食文化が入り混じり色々な料理がある。その中で今回の出色は、ヴィーナー・シュニッツエルと呼ばれるウイーン風カツレツである。仔牛の肉が大皿にドーンと3人前くらい、皿にあまるほど出てくる。皿から完全に余っているほどの大きさだ。こんなだったらもう少し大きな皿に出せばいいのにと思う。白ワインを飲みながら肉だけでお腹いっぱいとなる。
 オーストリアで魚は川魚。中でも鱒は有名だそうだ。ソテーしたものにバターソースとレモンをかけて・・これもイケる。
チェコ料理:豚肉と牛肉が主体という。煮込んだローストしたものに野菜類が添えられる。ハム、ソーセージ、ジャガイモは庶民の食べ物とか。ハム、ソーセージやサラミは種類が多い。特に朝食(バイキング)ではよく食べた。
ハンガリー料理:パブリカ(甘味唐辛子)を使った料理が多く、ヨーロッパ独特の脂っぽさとしつこさが消され日本人の口に合うのだそうだ。肉や魚の煮込み、フライが多く、具だくさんのスープもメーンになる。鶏肉のパブリカ・チキンが良い味をしていた。有名なグヤーシュというスープに牛肉と野菜の入った料理は少し辛かったが、ビールにはぴったりだった。
ドイツ料理:肉の煮込み料理が多いようだ。ドイツが誇るソーセージは、味・種類ともに世界一と言われている。アスパラガス(白色)やハムもダントツおいしい。ほとんど毎日・毎食にソーセージ、ハム、サラミ等を頂いた。
 
(3)ワインとビールは水代わり?
・ドイツと言えばビールと白ワイン。特にビールは街ごとに醸造所があり、6000種のビールを作り出しているという。紀元98年に書かれた歴史書[ゲルマニア]には、現在のドイツ一帯でビールが作られていたという記述があるそうだ。1516年には[ビール純粋令]が発令され、ビールは大麦とホップ、水だけで作ることが義務付けられ、現在も酵母が加わった形で守られているとのこと。メッカと言えばミュンヘン(2日目の宿泊地)。
 ライン川流域のワインは、生産の約8割は白ワインで、フルーティな甘口(高級なほど甘い)である。
・ウイーンの旧市街にはワインケラーという地下のワイン酒場がたくさんある。食物はおつまみ程度(ハム、ソーセージ、サラダ類)
 新種(11月頃)を飲ませるホイリゲなるものもあるそうだが、今回は季節外れであった。
・ハンガリーはワイン王国。名高いトカイワインは「ワインの王者」と言われている。それになんと言っても安い! グラス一杯3ユーロ(330円)程度。水の方が高い(4ユーロ)から、水代わりにワインを飲むといわれているのも分かる。
・チェコではビールがおいしい。ボヘミアのプルゼニュ(ピルゼン)は、12世紀末にはビール醸造の中心地となって、ここで作られたビールはピルスナーと呼ばれ、ビールの代名詞となって広まった。アルコール度の高い黒ビールも時々頂いた。値段はだいたい中ジョッキで4ユーロ前後であった。
 
 (4)ドイツの古城めぐり
  小高い山の頂に、あるいは眼下に川を望む崖っぷちに聳え立つ中世の城は、理屈なしに我々の心をその時代へと引き込んでいく。
  ドイツ古城協会によると、城は現在ドイツ国内におよそ2万あり、そのうちの1万5千は旧西ドイツに、そして約4650が旧東ドイツに見られるという。
  今回の旅では、前半の“ロマンテック街道”と後半の“古城街道”にて多くの古城を眺めてきた。
  ドイツ語で[古城]を意味する言葉の中で、よく使われるのがブルク「Burg,シュロス「Schlosu」そしてレジデンツ「Residenz」である。ブルクとシュロスの区別は曖昧に使われているが、通常、建造年代が古く、守りの要素が強いものがブルクと呼ばれ、完全に住居用に建てられた城はシュロスと呼ばれている。レジデンツは17,18世紀になって町中に建てられた大きな宮殿のことで、王侯貴族や大司教が住んでいた。
  中世の城は、敵の侵入を防ぐことが第一だったため、まず侵入しにくい場所に建てる必要があった。小山の頂や川に面して建てられ、無防備な箇所には必ず堀と跳ね橋が設けられた。最終避難場所として、ベルクフリートと呼ばれる高い塔が作られた。
  現在は、大きな城はほとんど州が管理しているが、今でも貴族の肩書を持つ人々が所有するプライベートな城はたくさんある。城の維持費は莫大なもので、国の補助費は少なく、ホテルやレストランを経営したり、住居の一部を公開して入場料を得たり、ワインの醸造をしたりと、維持の方法もさまざまである。
  今回の旅で見た主な古城は、ハイデルベルク城、ローテンブルク、ノイシュバンシュタイン城、ブラチスラバ城(スロバキア)、チェスキークルムロフ城(チェコ)、プラハ城(チェコ)、ノイエ・レジデンツ(バンベルク)、カイザーブルク城(ニュルンベルク)である。
  このほか、ライン川沿いに点在する古城にもそれぞれ歴史と文化があり、興味は尽きない。
 
(5)中欧の主な世界遺産めぐり
 今回の中欧5カ国(ドイツ、オーストリア、ハンガリー、スロバキア、チェコ)の世界遺産は次の12か所である。
 ①ヴィース巡礼教会(ドイツ)
 ②ザルツブルク市街の歴史地区(オーストリア)
 ③ハルシュタットの文化的景観(オーストリア)
 ④メルク修道院・バッハウ渓谷の文化的景観(オーストリア)
 ⑤ウイーン歴史地区(オーストリア)
 ⑥シェーンブルン宮殿と庭園(オーストリア)
 ⑦ブタペスト、ドナウ河岸とブダ城地区(ハンガリー)
 ⑧テルチ歴史地区(チェコ)
 ⑨チェスキークルムロフ歴史地区(チェコ)
 ⑩プラハ歴史地区(チェコ)
 ⑪バンベルクの街(ドイツ)
 ⑫ライン川流域の自然景観(ドイツ)
これらの見学記は後日まとめてみたいと思う。
 
<ドイツ&中欧の旅(余韻)は続く・・・・6月22日記>
 
 

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