2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
【どこからが依存か】 お酒を適度に楽しんでいるのであれば、アルコール依存と言わないように、スマホを使うこと自体には当然ながら問題はない。どこからが「依存」と呼べるか。 一般的に依存状態とは、アルコールであれ何であれ、使用を減らしたい、止めたいと思っても、自分の意思でコントロールできなくなった状態を指します。前記の中学生Aさんは、夜、寝る時間が遅くなって朝起きられなくなり、学校に行けなくなってしまう。通学はできても居眠りしてしまう。成績も急落する。そんな状況に陥ることです。 B君も学校生活に支障が出ている。 Cさんの場合も通勤はしているが、仕事の内容には果たして影響が出ていないと言えるかどうか。少なくとも家庭生活には支障をきたしていることは間違いありません。いずれも「依存」の症例と言えそうです。
スマホは、本人が「異常」だと気づいていないケースが多い。他の依存症の患者(アルコール、薬物など)は、多少なりとも依存症であることを自覚しているが、スマホ依存の場合は、ほぼ全員自覚がなく、止めようとも思っていない。これまでも若者は、本や漫画を愛読したり、テレビやパソコンが普及すれば、その時々に新しいものに熱中してきました。それとスマホが違うのは、スマホがネットを通じて「誰か」に繋がっていることです。すぐにメッセージを返信しないと学校での友人関係に支障が出るという生徒も少なくありません。
もう一つの特徴は、若者や女性など、これまで「依存」と縁の薄かった層の患者が大きな割合を占める、ということです。 アルコール依存や薬物依存、さらにギャンブル依存では、患者の中心は圧倒的に中高年の男性です。ところが、スマホ依存は若い人が中心です。「女性」が多いのは、チャットやメールを多く使っていることが原因ではないかと考えられています。
エスカレーターで大学までいくはずが、退学して定時制高校やサポート校に行く生徒も多い。人生がこれからというときに、将来の可能性が一気に狭められてしまいます。ところが、本人は自覚がなく「学校は中退でもネット上の関係が維持できれば本望」と開き直るケースも少なくありません。
【「葛藤」なき若者たち】 ネット依存を通じて、痛切に感じているのは、若い人たちの話から「葛藤」というプロセスを感じないことです。 アルコール、薬物などの依存患者には、多かれ少なかれ「葛藤」が生じます。酒を飲みたい、しかし、飲むと問題を起こすことも分かっている。しかし、・・・という闘いが、心の中で必ず起きている。それは、治療に向かう力にもなります。学校に行かなくなった生徒が、「今日はスマホを我慢して学校に行こう」とか「いかないと問題になるのでは」という「葛藤」が抜け落ちているのです。そうなってしまう原因としては、一つは、彼らが精神的に未発達であることが考えられます。現実世界での経験が不足している分、ネット上のバーチャルなアイデンティティに固執する傾向が強い。バーチャルな存在やその行為が、リアルな世界でどのような結果をもたらすかまで判断できないのです。
【技術と追いかけっこ】 ネット依存に関しては、まだ治療法も確立していないのが現状です。アルコール依存なら、飲んでいるのが焼酎でもワインでも、基本的な治療方針は変わりません。バリエーションは限られ、治療も系統立てて考えられます。 ところがスマホ依存の場合は、ゲームなどのコンテンツに依存するケースもあれば、メールや「LINE」など人との接触に重きを置いているケースもあり、対策はそれによって大きく異なってきます。ネットなど最新事情がわからなければ、診察しても患者とコミュニケーションをとることができません。新しい技術、新商品と医師のいたちごっこが続いているのです。家庭においても、子供たちの方が質量ともに進んだ知識を持っている。教師も親とどっこいどっこいの知識しかありません。
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