2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
短期教育奮戦記(「奇跡の授業」) 関西にある公立中学校(1年生)の2学期が始まった。 その日、1学年(4クラス140名)に新しい英語担当教師が赴任してきた。これは、その教師が夏休み明けから3学期終了までの、タッタ6か月間の英語教育を生徒達が評価した、驚くべき事実である。 〝どんな先生なんだろう? うまくなじめるか心配だった″。〝先生は、左利きで黒板に書く時、違和感があったが、直ぐになれることができた″。〝いつもいつも笑っていて気持ちよかった″。〝かわいいし、やさしいし、英語の発音が上手だし、背が高くて、細くて、顔が小さくて、とてもいい先生でした″。〝友達のような先生でした″。 ・・・、第一印象は申し分なかったようである。 授業の始まりは、最初に全員で、Let’s Sing と英語の歌を唄うのだった。 〝私は歌を最初に唄うのが楽しみでした″。〝授業がとても楽しかった″。 〝いつも笑顔で歌を唄っていた″。〝クラス全員でリズムよく、ビートルズの歌が多かったが、先生は歌もうまくて、スイスイ英会話も読めてました″ ・・・、とまるで音楽の時間のような英語の授業の始まりだったようだ。 そして、独特の英会話手法では、「スイスイ英会話」と称して、生徒たちがペアとなって会話をする訓練があって、授業の最初にペア決めのくじ引きがあるが、そのくじ引きのワクワク感が生徒たちにまたウケタのである。 〝スイスイ英会話は、最初は嫌だなと思ったが、とても楽しく(2年になっても)やりたいと思うようになった″。〝ゲームっぽい授業がよかった″。〝歌やゲームを授業に取り入れて楽しかった″。〝いろんな人と話すことができた″。〝友達と一緒に会話ができた”。〝毎回、毎回楽しみでした″。〝スイスイ英会話のおかげで、英検の面接で使えた″。〝ノリがよかった″。〝授業がいつも楽しみでした″ ・・・、等々、このゲームっぽい授業は好評だった。 授業の進行では、生徒たちが疲れてきたり(飽きてきたかな?)というタイミングでは、時折、ギャグやダジャレを連発し、気分転換を図っていた。 〝英語関係のダジャレになると、急に話が寒くなるのも面白い″。〝ダジャレで覚えやすかった″。〝ダジャレのおかげで解けた問題もあって、うれしかった″。〝先生のダジャレ:「動詞をどうしよう」は、母も笑ってました″。 〝「ninthのeはないんす」「Novemberに愛を込める」とか、楽しく英語教えてくれて分かりやすかった″。〝たまにカードを使ってゲームしたり、フルーツバスケットしたのが楽しかった″ ・・・、あまり、ダジャレを言いすぎると、まじめな人間は反発するケースもあるが、この程度は気分転換、緊張ほぐしになったのだろう。 いろいろ工夫をしたり、笑いながら肩の力を抜いてあげたりと、慰めながら励ましたりと、硬軟取り混ぜた授業の評価は、 〝授業はいろいろ工夫があって分かりやすかった″。〝先生のおかげで、英語が好きになれたと思いました″。〝1年の間で、英語が本当に好きになった。成績も3から4になりました″。〝英語の時間と授業は一生忘れません″ 〝授業はとても分かりやすく、楽しく、一生の思い出になりました″。〝英語の授業がこんなに楽しかったんだと初めて思いました(英語が2番目に苦手でした)。〝独特な授業の仕方で、英語の授業が楽しいと思えるようになりました”。〝中間テストで、点数が落ちた時に励ましてくれてありがとう。そこから私は英語を好きになることができました″。〝英語はすごく苦手だったが、先生の授業でちょっと楽しくできるようになりました”。〝成績3をつけてもらった、ありがとう″ 中学1年生(当時)は、体格は大人に近いが、まだまだ少年・少女だ。反抗期でもあり、思春期でもあって難しい年代である。そんな生徒たち(4学級・約140名)を、担当の英語学習のみならず、授業以外の生徒たちの校内(課外)活動にもいろいろと気配りしていたことが窺われる。そんな場面を生徒たちはしっかり見ているのだ。 〝給食委員で、待ち時間に一緒に話ができて楽しかった″。〝卓球部の顧問になってくれてうれしかった″。〝ダンスの発表会で、めっちゃほめてくれてうれしかった!″。〝一緒に掃除をしたり、先生の高校時代の話を聞いたり、面白かった″。〝授業の後に、興味のある単語を調べていたら、そのことについて教えていただき大変うれしく思っています″。〝ダンスの発表を見に来てくれて、最後に、「ここはこうでしょう」と、まさかのダンス指導してきた、あれはすごく印象に残っていますw″。〝英語だけでなく、総合や学活の授業をしている時も見に来てくれてありがとう″。〝私のセーターのにおいが良い匂いだと言ってくれたのは、とてもうれしかった″。〝部活で、ピン球をよく拾ってくれてとてもうれしかった、部活に来てくれた時はやる気が出ました″ 。〝(先生の発案で)クリスマスのグリーティングカードを校長先生に渡したときの顔は、今も覚えています″。〝分からない問題があったら、やさしく、なん度も分かるまで教えてくれた、とてもうれしかった” ・・・、こういう生徒達の声を聴くと、まだまだ、大人を頼りにしていること、自分の行動を見てくれる人を欲していることが分かる。その意味では、中学1年生にはまだまだ子供心や大人への依存心が残っている。 そんな生徒達を理解しながら、時としてそんな子供心を多少くすぐりながら、時には大人への自覚・厳しさも交えながら、授業の工夫と、授業外のコミュニケーションの場(見てますよ・応援してますよ)をうまく調和した指導は、生徒たちにとって、この先の人間形成にそこそこ役に立つものと確信する。 たった6か月間の臨時英語教師でありながら、これほどまでに生徒に慕われ、理解され、生徒に英語に対する興味と自信を植え付け、1学年・4クラス・140名のほとんどの生徒が先生として敬ってくれた例を知らない。 「奇跡の授業」というべきかもしれない。 ただ一つ、残念だったのは、多感な生徒達が知らない間に、授業を終えてしまったことである。せめて、人生の色んな場面には必ず区切りがあることを教えながら一区切り(お別れ)できていたら″満点“と思うのだが・・・。 PR |
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