父と二人三脚でつかんだツアー初優勝 孝行娘が叶えた父親の“夢 ”とは?
<CAT Ladies 最終日◇19日◇大箱根カントリークラブ(6,704ヤード・パー73)>
トータル10アンダーで、ツアー初優勝を飾った大里桃子。プロテストに合格し、日本女子プロゴルフ協会入会からわずか23日でのツアー初優勝は、キャディを務める父の充(みつる)さんとともにつかんだ優勝だった。そして、ここに至るまでには、数々のエピソードがあった。
「こんなに早く優勝できるとは思わなかった。これからも一段一段、階段をのぼって行って欲しい」
大里のラウンドを一番近くで見続けた父は、娘の初優勝について、こう喜びを口にした。大里がツアー本格参戦を果たした今年、全試合でバッグを担いだ。ともにパットのラインを読み、時に叱咤激励をするのが役目だ。大里は「いつもケンカしています」と笑うが、父はこれを「意味のあるかけ合い」と表現。「尻に火をつけるために言っています」というのが意図のようだ。
父と母がともに体育教師という家庭に育った大里は、ゴルフ好きの父の影響で競技を始め、めきめきと実力をつけた。そしてプロになった娘をサポートするため、父は当時勤めていた専門学校を退職。キャディとして帯同することを決心した。
そんな父の教えは、こんな場面にもあらわれた。優勝を決めた瞬間、大里の顔は笑みで包まれた。その後も涙を流さなかったのだが、これは「ゴルフ場では涙を流すな」という父の教えがそうさせた。「たとえ負けたとしても、絶対に泣かず、悔しさを持ち帰って、練習場にいけ」。それが笑顔にあふれた優勝シーンを生み出した。
だが、そんな大里が一度だけ、ゴルフ場で涙を流したことがある。それが昨年のプロテストだ。最終テストで1打及ばず不合格となった大里は、父との約束を破り、その場で号泣した。「その日が母の誕生日で、『プロテスト合格をプレゼントにする』って約束していたみたい。その時は許しました」。充さんは当時をこう懐かしんだ。
実はこの優勝、父の“夢を叶えた ” 勝利でもあった。「CAT Ladies」の優勝者には副賞として重機が与えられる。父は、大里が小学生のころから「娘がこの大会で重機をもらったら、地元の農道を『俺の娘がもらったんだぞ』って言いながら運転したい」と言っていたのだとか。近いうち、地元・熊本の農道を重機で走る充さんの姿が見られるかもしれない(?)。
この日、娘は「ケンカもいっぱいするけど、これからもキャディをしてもらうので、仲良くしようね(笑)」と父に言葉を贈り、それを聞いた充さんは「いつも『クビにする』って言われてますけど」と笑った。“ケンカするほど、なんとやら”。これからも、父娘二人三脚のラウンドが続いていく。(文・間宮輝憲)
ALBA.Netのゴルフニュース(2018-8-19より)
「今年もまたCAT Ladiesトーナメントを観戦した。これで22回連続となる。スポンサー・CATの社員だったから仕方がないのかもしれないが、自分ながらよくぞ続いたものだと思う。
考えると、
あの第1回は、静岡にあるグランフィールズCCで行われたが、隣りの県(山梨県)に勤務していたから、半強制的に観戦に行った、いわばサクラ(?)のようなものだった。確か、ギャラリーは3,500人(3日間で)位のものだった。優勝者は、坂東貴代選手で当時22歳。残念ながら、彼女はその後勝ち星はない。その時の2位が、あの有名な、不動裕理選手だ。彼女は、第7回大会の優勝者だが、それよりも何よりも、数年後には賞金女王を連続6回も獲るという押しも押されもしない大選手になった。
その不動選手は熊本県出身だが、大里選手も熊本の出身である。
今回は、親父さんと2人3脚の家内工業的ゴルフであった。聞くところによると、いつも毎試合、親父さんのキャデイーを頼んでいるとのことだが、いずれは、独立すべきだろう。アメリカで、畑岡奈佐選手がやはり母親のキャデーから独立して、立派にLPGAで優勝を果たしたように、大里選手もいずれ親離れをすべきだろう。その時に本当の実力が試される。頑張ってほしいものである。
今回は久しぶりに、優勝者がホールアウトする場面まで見ることができた。それは、雨もなく、
涼しい程よい天気と、駐車場が近くだったので帰りの心配がなかったこともあったようだ。
来年も盛況であってほしいものである。(ギャラリーは3日間で約12,000人とのこと)」