2007年7月発足以来続いている一期一会の飲み仲間
<ゴルフ三昧(3枚?)のはなし> むかしむかしその昔、私がかなりゴルフに凝っていた頃(10~20年前?)のはなしだが・・・、そのうち記念にスコアカードを残している3枚の思い出話である。・・・これを称して、「三昧の中の3枚」(ざんまいのなかのさんまい?)である。 その1 児玉カントリークラブでの思い出。 今から15年くらい前の話だが、埼玉県の北の方角にある児玉カントリークラブは、埼玉県でもゴルフ銀座のようなところにある。東京からはちょっと遠いけれど、あの頃は、片道3時間くらいまではそれほど遠いとは思わなかった。 (当時は、北は福島県・片道4時間、西は浜松・片道3.5時間を日帰りで行っていた) 春先だったと思うが、町田から八王子を抜けて、関越を走って藤岡のあたりからゴルフ場へと向かう。前々職場のOB連中が集まったコンペだった。 中には知らない人も多かったが、同じ組に3人の知り合いが入っていたので、気楽にプレーできた。前半は、全くの不調?で50という情けないスコアであった。ここでもハーフが終わって食前酒を頂いてリラックスした(と思う)。 午後のスタートからなんとなくリズムをつかんだのか(それともお酒のパワーか?)連続5ホールパーときた。15番Hでボギーとなったが、16,17番とパーが続く。ここまでで1ボギーということを意識した。あれ?それじゃ、ここでバーデーならパープレイも可能か!! ギンギンに意識した! 18番Hは145ヤードのショートホール。145ヤードという数字には縁があって、数年前に横浜(この話は後日ご披露したい)でホールインワンをした縁起の良い長さだ。ただ、グリーンの左側半分は、池が囲んでいて、ピンは、そのグリーンの左側にセットされている。まるでプロ並みのピンセッティングである。 こんな時は、下手に手加減すると左に引っ掛けることがよくある。かといって安全に真ん中~右狙いだとバーデーは難しくなる。あまり意識して、迷っても仕方がない。それに、千載一遇のチャンスじゃないか! なんかダメもとで割り切れた。7番アイアンでえーい! 男の子! と思い切りピン狙いで行った。 打球はピン奥1.5mにナイスオン! よし、あとはパット次第だ。 ラインは、ややスライスに見えた。下りラインだ。ビビりながらスライスラインを狙って軽くヒット。カップインまでの時間の長かったこと! トロトロとスライスラインを描いて、入った! ナイスバーデー!!! 3人が祝福してくれた。 やったぜハーフ・パープレー36! 結局のところ、前半50、後半36 反省会では、あっちこちから苦笑と冷やかしが・・・。【あの50は何なのだ!】、「どっちがあんたの実力だ?」等々ひとしきり話題の主だった。 それでも「大波賞」だけはGETというおまけがあった。本人にとっては、そんな賞よりも何よりも、生涯初のハーフ36・パープレーの方が嬉しかったのだ。 <平成15年 児玉カントリークラブ 西コース> <ご機嫌な人ほど長生きできる>明日から幸せになれる方法教えます ー上を向くだけで幸福感はアップするー 執筆者:坪田一男氏(眼科医)、前野隆司氏(慶応大学教授) ★ なぜ幸せだと健康になるのか 健康長寿だと幸せ、とこれまで考えられてきましたが、ご機嫌で幸せな人が長生きすることが、近年の研究によって明らかになってきました。では、どうすれば、ご機嫌で幸せでいられるか。 医学的には大きく分けて三つの仮説が考えられています。 第一は、幸せを感じている人は、健康長寿になる遺伝子が働くから。幸福感が遺伝子の働き方に影響を与えるのではないか、と考えられているのです。 第二は、幸せだと副交感神経がよく働くから。交感神経と副交感神経は全身に張り巡らされていて、交感神経は筋肉を緊張させ、血管を収縮させるなどの働きをし、副交感神経は逆に筋肉を弛緩させ、血管を拡張させるなどの働きをします。どんな時にそれぞれが働くかというと、交感神経は、命の危険を感じるようなとき、機敏に反応できるように身構えます。瞳孔は拡大し、心拍数は上がり、筋肉も固くなり、全身は緊張します。それらはすべて交感神経のなせる業です。 それに対して副交感神経は、生命の危険がなく、安心しているときに働きます。瞳孔が収縮し、心拍数は下がり、筋肉は弛緩し、リラックスした状態になります。「ご機嫌」とか「幸せ」は、要はこのような状態のことです。腹八分目、適度の運動と云った長寿の秘訣は、豊かな現代社会にあっては、副交感神経をうまく働かせないと実行できません。 第三は、幸せな人は友達が多いから。友達の数が多いほど幸福感が増すことは、様々な研究が明らかにしています。なぜ、友達が多いと健康長寿なのかと云えば、長期的な生存確率を高める情報を摂取しやすいからだと考えられています。「いいお医者さんがいるわよ」とか「困ったらあの人を頼りなさい」と云った生存を左右する情報が手に入りやすいのです。 ★ 失業は幸福度を著しく下げる お金、家族、友人が、本当に幸せにつながるか、を検討していくことにする。 お金については、幸福には「生活評価(生活満足度)」と「感情的幸福」の二つがあると考える。「生活評価」は、日々の暮らしに支障がなく、嬉しい、気持ちいいなどの瞬間的な感情も含めた満足感で、「享楽的幸福」に近い幸せです。もう一方の「感情的幸福」は、自分の人生は成功している、人生に満足しているという「安寧的幸福」に近い幸せです。 お金について、重要なことは、失業すると幸福感が著しく低下することです。イギリスの経済誌の調査によると、幸福度に最も大きなダメージを与えるのは「長期にわたる失業」でした。この調査では、結婚や離婚、配偶者の死といった大きなイベントについて質問し、幸福度が下がって、元に戻るまでの時間なども分析されています。そこからわかったのは、「配偶者の死より、失業の方が精神的ダメージは大きい」ということでした。 家族については、家族がいるだけで幸福感が得られるのは当然で、たとえ家族がいても、本人の立場や関係性によって異なるという結果があります。家庭内で孤立して『自分は一人ぼっちだ』と感じていれば、一人でいるのと同様のリスクを健康にもたらします。私(前野氏)の研究では、同居家族数は、幸福度とあまり関係がないという結果が出ました。一方で意外だったのは、年賀状をやり取りする程度の付き合いの親戚であっても、付き合いのある親戚が多いほど幸福度が高いことです。また、知人友人の数が多いほど幸福度が高いこともわかりました。知人友人の種類が多様だとさらに幸福度が上がります。 ★ 睡眠と上司が幸せを左右する 私たちの幸せに強く影響しているのは、何と「睡眠」と「上司」だというのです。睡眠がしっかりとれない人、上司が仕事に逐一介入し、自分の自由裁量の範囲が狭い人ほど幸福度が低いことがわかりました。 日本人の平均睡眠時間が少なく、睡眠障害で悩んでいる人が多いのは、夜が明るすぎるせいではないでしょうか。日本の家はベッドに入る直前まで室内の明かりが煌々とついています。これは日中が明るく、夜は暗いという自然のリズムに反しています。そのうえ、寝る直前までスマホやパソコンの画面を見ている人が多い。IT機器の画面から出るブルーライトは脳を活性化させて、眠りに入ることを妨げます。眠りの質も低下させます。 ノーベル賞受賞者のカーネマン氏の研究によると、「結婚」よりも「上司」の方が幸福度に影響を与えるという。部下は上司を選べません。そこで諦めるのではなく、苦手な上司でも思い切って、よりコミュニケーションをとることを私(前野氏)はお勧めします。上司との関係がうまくいかない原因は、コミュニケーション不足であることが多いからです。 ★ 幸福感をもたらす四つの因子 私(前野氏)は、幸福感をもたらす源泉として、「四つの因子」を見出しました。 それは、「やってみよう!」「ありがとう!」「何とかなる!」「ありのままに!」です。 第一の「やってみよう!」因子は、自分が夢や目標に向かって成長していることを実感しているときに働きます。この因子を高めるための方法の一つは、自分の夢、目標、強味の三つを書き出すことです。夢や目標を考える時間は、幸福感を生み出すもとになります。夢や目標に少しでも近づき、自分が成長していると実感できることは幸福感をもたらすからです。 <昔、ゴルフを始めた頃にスコアを伸ばすために練習をして、少しづつスコアアップした頃が幸せでした> 第二の「ありがとう!」因子は、人を喜ばせたり、人に親切にしたり、人に感謝したりするときに働きます。人のために何かをすることや感謝を表すことは、周囲の人とのつながりを深めるので、そのことが結果として幸福感をもたらしてくれるのです。 第三の「何とかなる!」因子は、今ここにいる自分を受け入れることができ、前向きに楽観的でいられるときに働きます。この因子を高める方法の一つは、今の自分を承認し、認めてあげることです。そのためには、「自分はダメだ」と落ち込んだら、「自分はダメだと思った」と云う風に[思った]を付けてあげましょう。そうすると、俯瞰的な視点を持つことができ、「自分はダメだ」という認識から離れやすくなります。 第四の「ありのままに!」因子は、他人と比較せず、人目を気にせずに自分らしくいられる時に働きます。 この因子を高める方法の一つは、あえて自分らしく行動できないことを書き出すことです。たとえば「人目が気になって会議でうまく発言できない」とまず書いてみる。それをポジテブな方向に反転させて「自分の考えを思い切って発言してみよう」と考えてみるのです。 この四つの因子の中で、日本人の幸福感を容易に高められると私が考えるのは、「ありがとう!」因子です。日本人はやはりチームや集団のために自分が貢献し、それに対して感謝され、自分が確かなつながりの中にいると実感できるときにより大きな幸福感を感じる傾向があるからです。毎朝ハイタッチする、同僚と互いの良い面を誉め合うといった単純なことですが、習慣化することで組織の幸福度は確実に高まります。そういう活動が広まれば、日本人がもっとポジテブになって幸福度が高まり、健康長寿の人が増えていくはずです。 <「健康長寿を実践する」シリーズは、以上で終了> <寝る時間より「起きる時間」を決める>・・・執筆:鳥集 徹氏(ジャーナリスト) あなたは毎晩、ぐっすり眠れているだろうか。 <残念ながら私は眠れていないが・・・> 日本人の睡眠時間は短くなる傾向にあり、1日の睡眠時間が6時間未満の人は2007年には3割未満だったのが、15年には約4割に増えた(平成27年【国民健康・栄養調査】より)。 深夜もコンビニのまばゆい灯が街路を照らし、夜通しテレビ番組が放送され、日本が「眠らない社会」になって久しい。 スマホを四六時中手放さず、深夜までSNSやオンラインゲーム、ネットサーフィンに興じる人も多い。しかし、睡眠不足が続くと日常生活や仕事に差し支えるだけでなく、健康寿命に大きな悪影響を及ぼすことがわかってきた。 もともと、病気が睡眠不足の引き金になることは知られてきた。 「糖尿病になると口が渇く、夜間頻尿になる、神経の合併症で脚に痛みやしびれが起こるといった症状で、眠れない人が増えます。 また、高血圧では交感神経(昼間の活動性を高める自律神経)が亢進して眠りにくくなります。降圧剤の作用で、眠れなくなることもあります。 さらに、われわれの調査では、糖尿病、高血圧、脂質異常症を合併するメタボリックシンドロームになると、より不眠経験の割合が高まり、治療中では36%、放置例では47%にも及ぶことがわかりました」 うつ病の人も、不安や緊張で交感神経が亢進し、不眠症になりやすい。 眠らなくて困っている人は、まずこうした病気や薬が要因になっていないか調べてもらって、適切な治療を受けることが大切だ。 逆に睡眠不足が病気を引き起こすこともある。 「睡眠不足になるとインスリンの働きが弱まり、血糖値が上がります。眠たいと昼間の活動性が落ちる上にストレスとなりますから、それを回避する行動として食欲が増します。その結果太りやすくなり、糖尿病や高血圧を引き起こすのです。睡眠不足があると、糖尿病も高血圧もリスクが約2倍になると報告されています」(久留米大 内村教授) 睡眠不足は癌にも関係する。40~79歳の女性約2万4千人を7年間追跡した研究で、睡眠時間が6時間未満になると乳癌リスクが約1.6倍に高まる結果が出ている。(大崎国保コホート研究)睡眠不足になると、性ホルモンを抑制するメラトニンの分泌が減るため、乳がんになりやすいと言われている。 <認知症のリスクも上がる> それだけではない。睡眠不足は認知症のリスクを高めることもわかってきた。 「アルツハイマー型認知症は、『アミロイドβ』という老廃物が脳に沈着することで起こると考えられていますが、動物や人を対象にした研究で睡眠不足や睡眠の質が悪いと脳脊髄液中にアミロイドβが増えることを示す結果が報告されています。また、15年には65歳以上の人約千人を対象にした研究で、『十分に眠れない』と回答した人ほど、5年後に認知症を発症する人が増える結果も報告されました。認知症になると不眠症の人が増えることは知られてきましたが、睡眠不足が認知症を引き起こす可能性もあるのです」(日本睡眠教育機構理事長・宮崎総一郎医師) なぜそうなるのか。それは睡眠が、脳のメンテナンスに不可欠だからだ。 「ヒトの脳の重さは体重の約2%ですが、目覚めている間フル回転しており、安静時でも体全体の20%ものエネルギーを消費しています。その過程で、有害な老廃物が大量に生じるのですが、実は最近の研究で、脳内で睡眠中に脳脊髄液が循環して、とどまった老廃物を脳外に排出する循環システムがあることがわかってきました。つまり、睡眠不足になるとアミロイドβを十分排出できなくなると考えられるのです」(同前) 「眠ることが困難で、眠気やだるさのために日中の精神運動機能に影響がある場合は、睡眠薬を飲んだ方がいいでしょう。不眠症で睡眠薬を飲んだ人と飲まない人を比べると、飲んだ方が中途覚醒(睡眠時間中に尿意などで目が覚めること)が減り、転倒リスクが減るという研究成果もあります。また、糖尿病や高血圧の人は、薬で眠れるようになったことで症状が改善する人もいます。但し、長期間飲み続けるのはよくありません。私たちの外来でも1年でやめてもらうことを目標にしています。『睡眠薬がないと眠れない』という人も多いのですが、睡眠薬は頼るものではありません。『賢く利用する』ものなのです」(東京慈恵医科大学教授 伊藤洋医師) <年齢で違う適切な睡眠時間> 「睡眠時間はエネルギー代謝と関係しています。年を取るほど代謝が落ちて睡眠時間が短くなり、眠りも浅くなります。65歳以上になると平均6時間ほどしか眠れませんが、それは自然のことなのです」(内村医師) 実は04年に、名古屋大学の研究グループが日本人11万人を10年間追跡調査した結果、 平日の睡眠時間は7時間の人が最も長生きという結果が出ている。 「高齢者は夜中に目覚めてしまい、よく眠れなかったと訴える人が少なくありません。ですが話を聞いてみると、床に就く時間が早すぎることが多いのです。朝の適切な時間に目覚めるためにも、高齢者は逆に夜更かしをした方がよい。また、夜眠るためにも日中はできるだけ活発に動き、昼寝をするとしても強い眠気が出る午後2時頃に、30分位までにとどめてください」 もう一つ大切なのが、「寝る時間」より、「起きる時間」を決めることだ。 「朝目覚めて光を浴びると、睡眠覚醒リズムをコントロールしている生体時計がリセットされます。そして、目覚めてから16,7時間後に睡眠のスイッチが入るのです。例えば朝6時に起きたら、夜の10時~11時頃には眠くなる。このリズムを狂わせないためにも、朝起きる時間を一定にすることが大切です。平日に睡眠不足の場合は、休日に1~2時間朝寝坊してもかまいませんが、出来れば休日も同じ時間に起きることをお勧めします」(伊藤医師) 「カーテンを閉め切ると、体内時計をリセットするのに十分な朝日を浴びることができないので、カーテンを10センチほど開けて眠ることをお勧めします。また、寝る前に蛍光灯の明るい光で過ごすと、体内時計を狂わせて入眠時間が遅れます。ですから、寝る1時間ほど前から室内のあかりを電球程度の明るさに落とし、テレビやスマホなども見ないようにしてください。寝る前にテレビを見る習慣をやめただけで、ぐっすり眠れるようになった人もいます」(宮崎医師) また、アルコールは寝つきをよくするが、睡眠が浅くなり夜中に目覚めることも増えるので、睡眠薬代わりの飲酒はやめた方がいい。睡眠薬を飲むなら、アルコールは厳禁だ。 眠気冷ましのコーヒーもカフェインの作用で入眠を遅らせ、中途覚醒を増やす。 最後に、睡眠時間にこだわり過ぎないことも大切だ。「朝起きて、疲れが取れていて、昼間の活動に差し支えなければ、その人の睡眠は十分足りている」(宮崎医師)という。心配し過ぎも不眠の要因になる。時間にこだわり過ぎず、うまく快眠術を活用してほしい。 <今から十数年前の私の話。やっぱり眠れなくて、毎晩苦しかった。多少うつ的・半分ノイローゼの状態もあった。主治医に何回となく通い、睡眠薬やうつ治療薬も使用したが、はかばかしくなかった。ある日主治医がこんな話をしてくれた。「眠れなかったら寝なくてもいいじゃないか。そのまま起きていれば、そのうち3日もすれば眠くなるよ!」・・・そのまま起きていればそのうち眠くなるよ、という言葉は、無責任な発言に聞こえるが、正直、やってみなはれ、とも聞こえた。 その日から実行した。明け方になったら、うとうとして眠くなって、眠った。次の日も、また、次の日もそうしてなんとか眠ることができた。それがきっかけで、睡眠薬も・うつ治療薬も不要となった。あれから10数年。眠れないときは、眠くなるまで待って・・・、というあの主治医(故人)の言葉を思い出し、不眠症を克服した。素晴らしい言葉の薬であった> <以下、次回>
「40度、全身浴、10分」の黄金法則・・・東京都市大学教授・早坂信哉氏
日本人はお風呂が大好きな民族です。温かいお湯に毎日のようにつかる習慣を持つ国は、世界中どこを探しても日本だけです。 およそ20年の医学的研究から、毎日のお風呂において正しい入浴法を実践すれば、“健康長寿”を目指せるということが分かったのです。 2011年の調査・研究によると、65歳以上の高齢者による5年後の要介護認定者数を調べた結果、週7回以上お風呂につかる習慣があるグループは、そうでないグループに比べて、自立度が1.85倍も高いという数値が出ました。つまり、毎日の入浴習慣がある人は、要介護になりにくいのです。 また、2012年に行った研究では、入浴習慣と幸福度の関係(自分が日々の生活でどれくらい幸せだと感じているか)では、毎日の入浴習慣がある人の方が、そうでない人に比べて、主観的幸福度が高いという結果が出た。このように、毎日の入浴習慣は心身ともに良い影響を与えるのです。 ここで注意すべきことは、入浴は、シャワーを浴びるだけの「シャワー浴」ではなく、湯船にしっかりとつかる「浴槽浴」である必要があるということです。 <体のライフラインを強化する> その医学的効果は具体的にどのようなものなのか。 浴槽浴が心身に与える効果は大きく分けて三つあり、「温熱作用」「静水圧作用」「浮力」です 。この中で最も重要なのは、「温熱作用」です。温かいお湯につかることによって、まずは体の表面が暖められます。次に皮膚の下まで熱が伝わり、血管の拡張が起こることで、血液の流れがよくなります。血液の巡りがよくなるということは、新陳代謝の活発化、免疫力、体力の向上が期待できるのです。また、体が温まることで筋肉や関節の緊張が和らぎ、肩こりや腰痛、筋肉痛が緩和されるという効果もあります。 「静水圧作用」も血液の循環に働きかけます。お湯の中につかると、人間の体に水圧がかかります。この水圧が皮膚の血管にかかってくることで、血液が心臓に押し戻されることになります。また、お湯につかっている間に水圧で押さえつけられていた血管は、湯船から出た瞬間に開放され、血液が一気に流れ出す。この一連の働きが、血液の巡りをよくすることにつながります。 「浮力」は、主に精神面に効果をもたらします。お湯に肩までつかった場合、その人の体重は浮力によって十分の一になるという計算です。体が軽くなることにより、大きなリラックス効果があるのです。 <正しい入浴法>とは ① お湯の温度は38~40℃ ② 肩まで浸かる全身浴 ③ 入浴時間は10分間 まず、お湯の温度は、わずかな差でも、からだに与える影響が正反対と云っていいほど違ってくるのです。人間の体には自律神経という神経があり、循環器、消化器、呼吸器など、生命を保つための体の働きを自律的に調整してくれています。自律神経には、からだを興奮させる「交感神経」と、逆にリラックスさせる「副交感神経」の2種類があります。 42℃以上の熱いお湯に入ると、交感神経が刺激され、からだは一種の戦闘状態に突入してしまい、血圧が上がり、脈は速くなり、逆に胃腸等の働きは弱まってしまうのです。 お湯の温度を設定するときは、42℃よりもぬるめで、かつ体温よりも高い、38~40℃の範囲に設定してください。そうすることで体も温まりますし、副交感神経の働きで十分体を癒すことができます。どうしてもぬるく感じて満足できない人は、最初に40℃のお湯に入り、追い炊きで体を熱さに慣らしてください。ただし、上限は、42℃です。 次にお湯の量ですが、浴槽にたっぷりとお湯を張って肩までつかる全身浴を推奨します。 全身浴の利点は、湯量が多いために、「温熱作用」と「静水圧作用」が働きやすいということです。体がよく温まり、水圧が高いので血液の巡りも良くなる。足のむくみにも効果的です。 全身浴での入浴時間は、10分間がお勧めです。体温は約0.5~1℃上昇します。その上昇だけで、十分に「温熱作用」は見込めるのです。いったん上昇した体温は、1~2時間程度はそのまま持続する。汗がではじめたら,体が十分温まったというサインです。 ただし、心臓や肺に疾患がある人は、お湯の熱や水圧が負担になるので全身浴は避けて、2,30分程度の半身浴にしてください。 <ヒートショックに要注意> 寒い冬に要注意なのは、高齢者の入浴時の死亡事故です。 平成25年度では、入浴中の事故死の数は、年間で約1万9千人あります。亡くなられた方の症状で多いのは、脳卒中や心臓発作(心筋梗塞、不整脈など)です。これらは「ヒートショック」によって引き起こされることが多い。ヒートショックとは、外部の温度差によって引き起こされる血圧の変化のことを言います。 事故の半数が、12月から2月にかけての冬期に集中しているのです。 入浴時の行動は、冷たい脱衣所で服を脱いで裸になります。そうすると、からだが寒さに驚いて交感神経が刺激され、血圧が上昇するのです。次に、寒さに耐えきれず、すぐに熱いお湯にドボンと浸かるとします。湯船に入った際、今度は体が熱さに驚き、先程と同じように再び血圧の上昇が起こります。この一連の行動で、血圧が40ほど一気に上がるという研究データもあります。血圧の変化によって、高齢者の弱くなった血管や心臓に大きな負担がかかり・・・なるのです。 ヒートショックを防ぐためには、入浴の過程における温度差を少なくしていかなくてはなりません。 まず、脱衣所に暖房器具を置き、空間を温めます。リビングとの温度差は、5℃以内であるのが望ましい。同様に、浴室も温めることが重要です。暖房機能がない場合は、湯船にお湯を張る際に、蓋をすべて開けて室内に湯気を立てることです。上記が充満し、サウナのような効果で浴室が温まります。 徐々に体をお湯の温度に慣らしていくという意味で、入浴前のかけ湯も大きなポイントです。手足の先、からだの中心部、頭の順番で、少しずつかけ湯をしていきましょう。 入浴のタイミングにも注意してください。午前中は心筋梗塞や脳卒中が起こることが多い時間帯です。高齢者は避けた方がいいでしょう。熱中症・脱水症予防には、入浴前後における充分な水分補給も必要です。最低でも入浴前後で合計500mlの補給が理想。お勧めはポカリスエットなどのイオン飲料。「入浴後のビール一杯」は控えましょう。脱水症状を起こしやすくなります。 これらの危険に注意さえすれば、心身ともに豊かな入浴生活を送ることができます。 「血液循環体操」は三日坊主にならない・・・作者:大場真代氏(医療ライター) ★ 厚労省の2016年の調査によると日本人の平均寿命は、 男性で80.98歳 女性で87.14歳 と過去最高を記録した。 一方、介護などが必要ない状態で生活できる「健康寿命」は 男性で72.14歳 女性で74.79歳 と平均寿命とは男性で約9年、女性では約12年の開きがある。 ★ 健康寿命を引き下げてしまう最大の要因が、運動器の障害だ。運動器とは、筋肉や骨、関節、軟骨や椎間板と云った体を動かす部分のことで、要支援・要介護になる原因の四分の一が運動器の障害によるものだとされる。 日本整形外科学会は、運動器のどこかに障害が起こり、立ち上がったり歩いたりという日常生活の動作がうまくできなくなった状態を「ロコモティブシンドローム(通称ロコも)」となず け、ロコモにならないよう啓蒙運動を行っている。ロコモを予防するために大切なことの一つが「運動の習慣を身につける」ことである。 ★ 運動習慣の最大の敵は「三日坊主」 しかし、その“手軽さ”から誰でも続けられる体操が存在する。二村ヤソ子氏が考案・開発した「血液循環体操®」だ。血液循環体操は、自分の思い通りの場所の筋肉の血液循環を良くすることを目的にしており、他の体操とは違う5つの特色がある。 一つ目は、「いつでも、どこでもできる」こと。道具を使わずにできるため、場所を選ばず、さらに座ったまま、寝たままでも気軽に一人で行える。 二つ目は、「年齢に関係なく、誰でもできる」こと。無理な動きがないため、高齢の人でも体力に自信のない人でも無理なくできるのが特徴。例えば、介護が必要になった状態であったとしても、ベッドの上で寝ながら行なうこともできるのだ。 三つ目は、「短時間で効果が得られる」こと。すべての体操メニューを行っても20分で終えることができるが、時間がない、体力が続かないという場合は一分だけでも効果が得られるという。 四つ目は、「動かした筋肉がすぐ温かくなる」こと。効果が実感できないとなかなか続けにくいものだが、血液循環体操は、一分も続けると動かした場所の筋肉が温かくなってくるのを実感できる。 そして最後が、「心臓に負担をかけない」こと。運動をして、からだの動きに心臓の働きが追い付かないと息切れをしてしまうが、無理な動きがないため、心臓に負担もかからない。楽な動きで、からだの抹消部分の血液循環を良くしてくれるのだ。 ★ 実際に体操をやって効果を実感してみよう。 ● まず椅子に座ったまま、手のひらを太ももにつけた状態で、肩を上下させてください。八回もすると胸が温かくなるのを感じませんか。 次は、手のひらを逆向き、手の甲を太ももにつけて肩を上下させてください。今度は背中が温かくなるはずです。同じ動作でも手の向きを変えるだけで、違う場所の筋肉が動いて体が温かくなってくるのです。肩の上げ下ろしは、まずゆっくり4回、細かくゆするように4回の8回を1セットに2セット行う。太ももに置いた手を胸の位置や肩の位置で行うと、より多くの筋肉を動かすことができる。 ● 次に行うのは、足裏の体操だ。椅子に座って裸足になり、左右交互に足裏全体で床を踏み叩くように降ろす。ゆっくり4回、細かく4回を交互に2回ずつ行ったら、膝を体の内側に寄せ、親指側のラインが床面に触れるようにして、床を叩く。さらに足の小指側のラインも同じように行う。仕上げにかかとの上げ下ろしを8回行うと冷えていた脚もあたたかくなる。 ふくらはぎにある腓腹筋は、下半身の血液を心臓に戻すポンプの役割を果たす。「足は第2の心臓」と呼ばれ、末梢の血流を良くするために足を動かすのは重要だ。この動きは、足全体に刺激を与え、ふくらはぎも動かしているため、座ってできるのに、効率がいいと言える。 関節の痛みや生活習慣病、老化なども血流環境が悪いことが原因の一つと云われる。本当に手軽にできる体操だけに、是非継続してやってみてほしい。 <以下、次回> |
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