<秋のゴルフコンペ・・2題>
≪その1・・業界仲間コンペ≫
「あれ? この成績表は、グロス順位で並んでいるが、右端に記載している
ネット順位でやるんじゃないの?」(プロのトーナメントじゃあるまいし!!)
――コンペの総決算、表彰式・パーティでの一コマ、成績発表が終わって会場が盛り上がっていた最中、私は、隣のS氏にソッと指摘した。
S氏は、ここのメンバーで、本会の主宰者でもある人。昨年から準公用の仕事を1年余一緒にやってきた仲で、そのほかに非公式の勉強会や情報交換等を行っている友人でもある。(先日は、博多で行われた、業界のシンポジュウムに一緒に登壇した仲間でもある)
私の指摘の意味を察して、彼は青くなって、すぐにゴルフ場のキャディ・マスター室に飛んでいった。
おおよそ、5~6分後に会場に戻ってきた彼は、言い難そうに皆にこう切りだした。
「すみません。先程の成績表に間違いがありました。先に配布したものは、グロス順位となっていて・・・、こちらがネット順位の正しい成績表です」とみんなに配る。・・・・会場は無言のまま数分が過ぎた。
やがて誰かが言った。
「それでも、優勝とベスグロは変わらないようだから、先程のままで良し(今回はグロス順位で)としませんか?」と助け舟の発言があった。
「そうしましょう。了解!」という追従もあって、やがて他のみなさんも苦笑しながら頷いて、会場は再び和やかな雰囲気に戻った。
これより前(表彰式が始まる前)に、司会者から次のような発言があった。
「みなさんの中から、こんな提案があります。成績発表・表彰式の前にあらかじめ皆さんの賛同を得たいと思います。それは、『入賞者の皆さんより、賞品(金)の半分をこの会(パーティ)の飲食代の一部として寄付してもらったらどうか』ということです」
まだ、成績が分からぬ段階なので、皆さんは一も二も無く賛成の拍手で了解となった。そして、成績発表の度に受賞者は寄付をして表彰式は一段落した。(かに見えた)
「成績表が間違っている!」という前代未聞のアクシデントが起きたのはこの直後である。
しかし、日頃の仲間意識・苦労を理解し合える仲間たちの機転と暖かい友情
で和気あいあいの中で無事にコンペは終了した。
ちなみに、成績表の間違いを指摘したのも、賞品の半分を寄付しようと提案したのも、仕掛人は私である。
当然のことながら、私のグロス第3位の賞品は全額寄付していたので、ネット4位だとわかっても、ホッとしましたが・・・。
(10月31日 快晴 「業界仲間のグロスコンペ」 常陽カントリークラブにて)